Green eyed monster《悲しみに、こんにちは 例外編》
入家君のダイニングテーブル四人掛け。
私たちは向かいあいながら朝食を食べる。
BGMにはソファ正面のテレビが流す
おはよう、日本。
「はっ?」
心地よい朝にそぐわないのは
むしろ、私たちだ。
「はっ?私が、入家君を?」
開いた口がふさがらないとはまさにこの事だ。
そして、イチゴジャムが目に入る……。
しまった、しかもこのジャム、果肉入りだ……。
「好きでしょ。俺のこと。」
……よくそんな、漫画みたいな台詞、恥ずかしげもなく堂々と言えるな?
……こいつ、もしや皇子ではなく王様か?
「……昨日、『わたしを助けて、入家君!』なんて言ってきたのは誰でしたっけ?」
「……あれは、なんと言うか若気の至りって言うか……」
「若気って……昨日のことですよ。」
「深夜のテンションに身を任せてしまったの!!」
「へえ、先輩って夜になると甘えん坊になるんですか?」
だんだん目覚めてきたアーモンドアイの大きな目があざ笑いしている気がする。
「……別に甘えてなんかいないし。」
「離れたくないって駄々こねてましたよ。」
「言ってねーし!」
ちっ、てワザと私に聞こえるように舌打ちをする。
学校内の女子の皆様、早く夢から覚めましょう。これが彼の真の姿です。