Green eyed monster《悲しみに、こんにちは 例外編》
「あー、もう、これで満足……?」
私は掴んだ襟元を突き離した。
今度は黒い傘が道路に転がる。
私わなるべく真っ赤な顔を隠すように下を向いた。
「……ああ、ほんと……先輩、反則です……」
でもそんな必要はなかった
私以上に顔を赤らめた男が茫然と立っている。
「……反則?」
「いや、もうなんか……俺、幸せ過ぎて……ああ、どうしよう……」
そう、そしてわたしは
この狼狽える男を見るのが楽しい。
「……どうしたの?」
「……もっと先輩のこと好きになりそう……」
「……いいわ、もっとわたしを好きになりなさい。」