たからもの
私は間抜けな声を漏らした。
びっくりした。
それは写真だった。
しかも私の。
これは七五三の時のものだった。
真っ赤な着物を着て、体ほどの大きさのある千歳飴を持っている。
それは私しかいない、私が主役の写真だった。
こんな写真を大切な場所に入れておくなんて・・・・・。
胸がきゅうっと締め付けられるような気がした。
私は印鑑と、その黄ばんだ写真をポケットにさっと入れて、病院へ向かった。
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