お日さまの笑顔に導かれ
最初からそのつもりだったのか、奏太はグローブを2つ持ってきていた。
「全力って‥」
「いいから、とれるかもしんねーじゃん!」
そう言って構えた奏太。いい加減だよなあいつって冬夜は言うけど、実際嬉しかったみたい。
「怪我してもしんねー‥」
「なめんなバーカ」
冬夜は始め70%ぐらいのちからで投げた。それでも桜井はとれたりとれなかったり。
「おめぇの全力ってこんなもんか?」
「‥‥」
「たいしたことねぇなぁ‥冬夜?」
それで本気出しちゃった冬夜が本気投げしたら奏太がとっちゃったんだって。
「‥‥と、れた」
「まじ?」
そのあと冬夜の投げ込みがはじまった。奏太は1球取り損なっただけだった。冬夜はまじびびったって言ってた。太陽以外にもこんなに息が合う奴はじめてだって。
「久し振りに投げ込んだわ、きもちー!」
「‥明日からも来ねぇの?部活」
「‥そろそろ、行かなきゃとわ思うけど」
「来いよ。太陽もいなくてお前までいないと試合になんねー」
「‥‥‥奏太、キャッチャーやんね?」
「は?」
いきなり出た話に奏太はビックリしてたらしいけど、返事は考えさせてくれだったんだって。