お日さまの笑顔に導かれ


居ないと分かっていても、太陽に逢いたくなる。


そんな時はたいてい、おっきな空が見える、屋上だったり、少し狭くなるけど、公園のジャングルジムの上だったり、空に少しでも近づけるところに行く。


でも今日は特別で、2年前の今日、4月8日にあたしは太陽と初めてキスをした。


まだまだガキだった、高校の入学式の帰り道。太陽はお日さまみたいに笑ってあたしに言った。


「俺さー陽菜のこと好きだわ。1人の女として」


ずっと一方通行だった気持ちがやっと、やっと繋がった瞬間だった。


「あたし、も‥」


やったね!ってまた笑ってあたしを抱きしめた。


「やっと、言えた。」


そう言ってあたしにキスをした。


太陽もあたしも関係が崩れるのを抑えて、ずっと幼なじみをたもってきた。だけど、真新しい高校の制服をきて、気分は少し大人になれて、何故か気持ちを言いたくなった。


違うね、気持ちを押さえられなくなった。


少し変わったお互いを見たら、なんだか離れていきそうで怖かったから。


そんなことあり得なかったはずだったのに
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