お日さまの笑顔に導かれ


あたしには奏太のことは関係ないもんね‥


「服きなよ、風邪ひく」


「おぅ‥」


でも、あたしの中で何かひっかかってる。


「陽菜?」


「‥‥‥ん?」


ハルカが気になる‥。言っちゃおうかな。


「ねぇ‥ハルカって誰?」


「は?」


「寝言で言ってた。」


「‥‥‥そっか」


それからしばらく無言がつづいた。やっぱ聞かなきゃよかったかな。


「‥春花は俺の、最初の彼女」


「そう、なんだ」


何故か胸がいたくなった。


「今はもう、いないけど」


「へ?」


「幼なじみで親とも仲良くて‥親が死んだ事故のとき一緒にいたんだ‥俺だけ助かった」


何も言えなかった。冬夜が言ってた“奏太は強い”ってゆう意味がわかった。


「今でも不思議なんだ‥俺が生きてることが、なんで俺は生かされたのかいつも考えてる」


そっか、奏太はあたしとまったく同じ立場なんだね。彼女を失って‥


「陽菜と同じかな」


「‥‥‥神様は意地悪だね」


「はは‥ん、そうだな」


奏太の悲しそうな笑顔がなんだかすごく切なかった。





このでっかい世界で、同じ境遇の人がこんなにも近くにいたなんてね‥
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