お日さまの笑顔に導かれ


結局あたしたちは手をつないで1つのベッドで寝た。動いたら触れる、そんな距離なのに‥奏太とならなぜか緊張しなかった。


きっと同じベッドの中でお互い違う人を思って寂しくなって、恋しくなって‥

1人だったら乗り越えられない夜も2人だったら乗り越えられるのかもしれない。



ピンポーン…‥

朝、インターホンで目が覚めた。



「ん…」


「やべぇ‥寝過ぎた」


起きたら太陽はもう真上に近いくらい登っていた。でも太陽が出てることがあたしの気持ちを和らげる。太陽がそこにいるわけじゃないけどお日様の光は名前どおり太陽の笑顔とかさなる。



ピンポーン…‥


「冬夜でも来たんだろ。」


「そうかも」


起きたら奏太の胸のあたりが目前にあった。もう距離はない。

まだ奏太に触れていたいと、思ってしまった自分に嫌悪した。


そう思ったからすぐ立ち上がった。


「出てくるね」


「おー」



そういえば今日は土曜日だ!


「奏太練習!!」


「あ、やばー」

まだボケーッとしている奏太をベッドから引きずり出した。


「早く準備!」


その間に今度こそ玄関にむかった。案の定、そこには冬夜がいた。


「ごめん!寝てた!」


「奏太は?」


「いるよ!練習だよね!?」


「おー、奏太いないと練習になんねーかんな」


なんだかんだこの2人はいいバッテリーなんだと思う。まだまだ始めたばっかで足りないこともあるけど、他のバッテリーより心は繋がってる気がした。
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