お日さまの笑顔に導かれ


「ん‥‥」


目を覚ますと部屋には独りで、独りには慣れてるはずなのに、急に不安になった。


体を起こして、見渡しても奏太の姿はなくて。


ベッドから出て、リビングに行っても奏太の姿はなかった。


「‥‥‥いなく、ならないでっ」



涙が溢れた。廊下でうずくまったまま動けない。


息がをするのが苦しくなって、空気を吸いたくてもなかなか吸えない。


「はぁ!はぁ!」


誰か、誰か!


玄関があいて奏太の姿が見えた。



「はぁ!か、はぁ!」


奏太って呼びたくても呼べない。


「陽菜!!!」


奏太があたしのことを座ってる体勢から寝る体勢にした。


それでも変わらず苦しくて


「はぁはぁ」


「過呼吸か‥?」


過呼吸?


奏太が持っていたスーパーの袋の中身を全部だしてその袋をあたしの鼻と口を覆うようにくっつけた。


「ゆっくり息して‥そう‥」


奏太が背中をさすってくれて、だんだん落ち着いてきた。


「かな、た‥‥」


「大丈夫か?」


ビニールを外して、あたしを抱きかかえてソファへ連れて行ってくれた。
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