お日さまの笑顔に導かれ
太陽と月


ぽとぽと歩いて家に帰る。といってもほとんど1人暮らしで、たった1人たよりの母親さえほとんど家に寄り付かない。


まあ、母は仕事人間であたしのために働いているようなもんだから感謝はしている。


2階建ての一軒家の家が密集している住宅街に夕方太陽が沈む頃帰宅する。太陽に"おやすみ"と心の中で呟いて、一応冬夜の逢いたいっていうのも言っといた。


家に入るとケータイが鳴った。


「はーい‥夏希ちゃん?」


「お前、今どこだよ!家か?」


「うん‥何で?」


「お前HR来るっつったのにこねーから心配しただろ」


「あ、ごめん」


夏希ちゃんは太陽がいなくなってから過剰なくらいあたしを心配してる。多分あたしが変な気を起こさないか心配なんだろう。

「とりあえず、今から行くから!飯つくって待ってろ!」


ぶちってきれた。命令かよって思ったけど、HRサボったから作っておくことにした。

今夜はシチュー。


「太陽‥っと‥」


冬夜に言われてから口に出すのをやめようと思って名前を出した瞬間、次の言葉をのみこんだ


太陽、夏希ちゃん意地悪だけどあたしのことわかってるね
< 6 / 63 >

この作品をシェア

pagetop