ブラックな後輩
「あのさぁっ、皆には愛嬌振りまいて、私の事は無視ばっかりで何なの?

何か面白くない事があるんだったら、直接言えば?」


黒滝さんの意思など関係なく、近場の公園の駐車場に立ち寄った。


車を駐車するなり、助手席に座っている黒滝さんに詰め寄る。


黒滝さんが何も言わないから、ただ、ただ、涙が頬を伝わるだけだった。


無視されているのが悔しいのか、悲しいのか、訳も分からぬまま、この場を立ち去りたくて、バックにギアを入れて急発進で駐車場を後にした。


黒滝さんは会社に着くまで、いや、会社に着いてからも何も言わないままだった。


次の日、黒滝さんは出張に行き、しばらくは違う社員が私のパートナーとなる事が決定した。


でも、何かが違うんだよなぁ。


容姿云々とか関係なく、何だか扱いづらい。


黒滝さんとは別のタイプで苦戦している。


「俺知ってますよ。違いますよ、そうじゃないですって!!」


黒滝さんは口に出さずとも、私を誘導するかのように自らが仕事をしてくれた。


…がしかし、今のパートナーは自分でも間違えるくせに、口だけは達者と言うか、一緒に居ると疲れてしまうタイプ。


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