君を振り向かせる方法
「失礼しまーす。
先生ーーー?……………うっ…」
準備室に入るなり、フワッと巻き上がった埃が私の周りを舞う。
ここは比較的、日陰になる場所にあり、何年も掃除されていないこの部屋にはたくさんの埃がたまっている。
「あー、成塚サボんなかったのか。」
ハンカチで口元を抑え準備室をキョロキョロしていると後ろから先生が現れ、
私は軽く会釈する。
「嫌みですね先生。私、優等生なんです。」
「優等生は授業中爆睡するのか?」
先生の言葉に、返す答えを無くした私は誤魔化すように本の上の埃を軽く払う。
本当に埃まみれ。
「まぁいい。今日呼んだのは、お前が授業中に寝てたことに罰を与えるため。
今は4時5分だから、30分までにここの掃除をするように」
なんとなく予想してはいたど、埃まみれの部屋をみて自然とため息がこぼれやる気が失せる。
1人かぁ……、そう思って落ちていた本を拾おうとしたときだった。
?「遅れましたっーー!!………」
勢いよく準備室に入ってきた男の子。
その彼と目が合い、お互いに目をパチクリさせてしまう。
「れ、………い?………」
まさか、こんな形で再開するなんて私も彼も考えてなどいなかった。