君を振り向かせる方法


「うーー、埃…………。」









結局先生は、会議があるとかなんとかで準備室からいなくなってしまい私達2人で掃除をすることに。










当たり前だけど、私達の間に会話はない。












最後に話した日………つまり別れた日から、もう二年は経つ。










その間もずっと思い続けてる私って、本当に重いのかも。












ほうきでゴミを集めながら、チラリと反対側の彼に目を向ける。













私の記憶の中の彼よりも一回り大きくなり、そしてまた一段と格好良くなった彼。









青柳 泰火(アオヤナギタイヒ)。


クールな彼の、時折見せる笑顔は学校でも有名で結構な人気がある。











「…………………なに。」











突然振り向いた彼、泰火と目が合いとっさに持っていたほうきを落としてしまう。










ほうきが落ちたあたりの埃が綺麗に舞い、私のスカートを飾っていく。












「なんでもないっ、………って!!あーーやばっ!スカート!!!」











私の頬がみるみるうちに赤く染まっていくように、私のスカートも見る見るうちに埃で埋まっていく。














「もう最悪………。」










埃まみれのスカートを払おうとしたときだった。











一歩足を引いた先には先ほど置いた本があり、それを見事に踏んで体が宙を舞う。











あ、滑ったんだ。










そう思ったときにはもう遅くて、鈍い音と共に床に尻餅をつく私。











「いたたたぁ………。」



「ぷっ……………」










そこには少女漫画のような展開はなかったけど、










「零、ドジなとこは昔から変わんねーのな笑」











二年ぶりに見る泰火の笑顔がそこにあった。





< 7 / 10 >

この作品をシェア

pagetop