君を振り向かせる方法
「うーー、埃…………。」
結局先生は、会議があるとかなんとかで準備室からいなくなってしまい私達2人で掃除をすることに。
当たり前だけど、私達の間に会話はない。
最後に話した日………つまり別れた日から、もう二年は経つ。
その間もずっと思い続けてる私って、本当に重いのかも。
ほうきでゴミを集めながら、チラリと反対側の彼に目を向ける。
私の記憶の中の彼よりも一回り大きくなり、そしてまた一段と格好良くなった彼。
青柳 泰火(アオヤナギタイヒ)。
クールな彼の、時折見せる笑顔は学校でも有名で結構な人気がある。
「…………………なに。」
突然振り向いた彼、泰火と目が合いとっさに持っていたほうきを落としてしまう。
ほうきが落ちたあたりの埃が綺麗に舞い、私のスカートを飾っていく。
「なんでもないっ、………って!!あーーやばっ!スカート!!!」
私の頬がみるみるうちに赤く染まっていくように、私のスカートも見る見るうちに埃で埋まっていく。
「もう最悪………。」
埃まみれのスカートを払おうとしたときだった。
一歩足を引いた先には先ほど置いた本があり、それを見事に踏んで体が宙を舞う。
あ、滑ったんだ。
そう思ったときにはもう遅くて、鈍い音と共に床に尻餅をつく私。
「いたたたぁ………。」
「ぷっ……………」
そこには少女漫画のような展開はなかったけど、
「零、ドジなとこは昔から変わんねーのな笑」
二年ぶりに見る泰火の笑顔がそこにあった。