キミとの帰り道
「綾瀬……ダメ?」
可愛らしく、小首を傾げる速水くん。
いやっ、ダメではないんだけど。
『傘一緒に入れて』ってことは、速水くんとあっ、あっ、相合傘するってことでしょう!?
どうしよう。突然のことに頭がついていけてない……。
それよりこの雨のなか、傘がなくて速水くんが困ってるんだもん。戸惑ってないで、ここは早くOKしないと!
「いっ、いいよ、速水くん。私で良ければ、一緒に傘入ってく?」
「うわぁ、ありがと綾瀬。マジ助かる。あ!傘は俺が持つよ」
そう言って速水くんが私から傘を受け取ると、素早く傘を広げた。
「じゃあ、行こっか」
「うっ、うん」
こうして私と速水くんは、同じ1つの傘に入って、2人一緒に歩き始めた。