キミとの帰り道


「綾瀬……ダメ?」

可愛らしく、小首を傾げる速水くん。


いやっ、ダメではないんだけど。

『傘一緒に入れて』ってことは、速水くんとあっ、あっ、相合傘するってことでしょう!?

どうしよう。突然のことに頭がついていけてない……。


それよりこの雨のなか、傘がなくて速水くんが困ってるんだもん。戸惑ってないで、ここは早くOKしないと!


「いっ、いいよ、速水くん。私で良ければ、一緒に傘入ってく?」

「うわぁ、ありがと綾瀬。マジ助かる。あ!傘は俺が持つよ」


そう言って速水くんが私から傘を受け取ると、素早く傘を広げた。


「じゃあ、行こっか」

「うっ、うん」


こうして私と速水くんは、同じ1つの傘に入って、2人一緒に歩き始めた。



< 10 / 22 >

この作品をシェア

pagetop