キミとの帰り道
「ねぇ、鈴。礼央に何か言うことあるんじゃないの?ここは、積極的に行かないと」
「あっ、うん」
横から祐奈ちゃんに小声で言われ、私は速水くんのほうを見る。
「はっ、速水くん。白チームの勝利おめでとう。シュート決めたときの速水くん、すっごくかっこよかったよ」
「マジで?ありがとう。綾瀬にそう言ってもらえると、めっちゃ嬉しいわ」
速水くんが、本当に嬉しそうに笑ってくれる。
ああ、こんなに間近で速水くんの笑顔が見られるなんて。
去年の高1の頃は、考えられなかったな。