〜あたしの彼は擬似彼氏〜
「かれんー!」
お母さんは買い物袋がいっぱいあるときは
こうやってあたしのことを玄関まで呼ぶの。
「はいはーい、今行くー。」
そういって玄関まで行くと
「今日樹里、帰ってきてるんでしょ?
ご馳走してあげようと思ったら
買いすぎちゃったかもしんないわ。」
「お母さん嬉しそうだねっ!」
笑顔であたしが言うと
「そりゃそうよ。
ってあれ?他にもお客さん?」
そう言いながら洋也の靴を見ている。
「あ、あの、、、あたしの彼氏が。」
するとみるみるうちに
お母さんの顔がにやけていって
「嘘でしょ!ほんとなの?
どいて、華蓮。きゃー!お祝いよー!」
とリビングに走って行った。
この家族ではあたしに彼氏が
出来ることがそんなにも嬉しいことなのね。