2人きりのティータイムは、苦くて甘い。
ダメな私
(どうして私はこんなに駄目なんだろう……)
誰もいないオフィスで、涙を拭きながら残った仕事をしてた。
茶堂課長に何度めかのダメ出しをされたものは、明日の朝一で使う資料。だから、何としても明日まで仕上げなきゃいけない。
集中してキーボードを叩く時には気づかなかったけれど、近くで物音が響いてビクッと体が揺れる。
(誰もいないはずなのに……)
ガタガタと体が震えて、7月なのに寒気がしてきた。怖くて身体を抱えた私に、意外な人の声が聞こえた。
「まだ残ってたのか? もう9時過ぎてるぞ」
茶堂課長の声だった。 それを聞いた瞬間、ピクリと肩が跳ねてしまったけど。どうか気付かれていませんように。
「……あの、どうしても仕上がらなくて……ぶ、部長に許可をいただきました」
「そうか」
怒られるかと身構えていたのだけど、課長はそれだけ言ってガサリとビニール袋を机の上に置く。頭の中で大きな?マークを浮かべると、彼はボソッと口にした。
「腹、減ったなら好きなものを食べろ」
そう言った彼は、ビニール袋から様々な軽食を出して机に並べた。