会社の守護者
八坂部長はそう言うと、持っていたコーヒーをテーブルに置きイスから立ち上がり私に向かって歩いてくる。

えっ? ええっ?

そして、八坂部長は私の横で止まると私の左肩を掴んで

「あっちに座ろうか」

「あっ…あの」

イスまで案内していく。

「そんな、部長。私は大丈夫です」

「遠慮するなって。昔から肩もみは上手なんだ」

「そういう問題ではなくて…」

「ほら、着いたよ」

その言葉で前を見ると、イスが。

「さあ、座って。玉ちゃん」

「部長…」

困ります…。


「すいませんが、その女性から手をどけて貰えますか?」

給湯室に突然響いた八坂部長とはまた違う低い声。

この声は…。

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