あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
中垣先輩がもしもフランスに行ってしまったら…。そんなに簡単には帰ってくることが出来ない。そんなことを頭のいい中垣先輩が分からないわけはない。色々なことを考えるうちに私の中で気持ちは決まりつつある。でも、その答えを出すのが怖いのも事実だった。
そして、小林さんは私の出す答えも分かっているのだろう。だから、昨日、あんなに優しい言葉を私にくれたのだろう。
「過去と未来はどっちが大事だと思う?」
そんなことを急に中垣先輩は口にする。その表情から私は中垣先輩の意図をくみ取ってしまった。過去とは失いゆく可能性のある命。そして未来とは…幸せな小林さんとの生活。
「俺は坂上がフランスに行くのは反対だから」
中垣先輩はこの言葉を私に伝えたかったのだと思う。自分のことよりも人のことを思う優しさを私は感じていた。
「ありがとうございます。でも、自分で決めます」
「頑固だな」
「それはお互い様です」
「確かにそうだな」
そう言いながら、中垣先輩は口の端をあげる。ちょうど、頼んでいた串揚げがテーブルの上に届いた。三本入った串揚げは衣を見るだけで揚げたてというのが分かる。このまま食べると火傷もしてしまいそうだと…思ってみていると、
「俺は猫舌だから後でいい」
「そうですか。では私が先に頂きます」
思った通りの串揚げは揚げたてで私も気を付けないと火傷してしまいそうだった。
そして、小林さんは私の出す答えも分かっているのだろう。だから、昨日、あんなに優しい言葉を私にくれたのだろう。
「過去と未来はどっちが大事だと思う?」
そんなことを急に中垣先輩は口にする。その表情から私は中垣先輩の意図をくみ取ってしまった。過去とは失いゆく可能性のある命。そして未来とは…幸せな小林さんとの生活。
「俺は坂上がフランスに行くのは反対だから」
中垣先輩はこの言葉を私に伝えたかったのだと思う。自分のことよりも人のことを思う優しさを私は感じていた。
「ありがとうございます。でも、自分で決めます」
「頑固だな」
「それはお互い様です」
「確かにそうだな」
そう言いながら、中垣先輩は口の端をあげる。ちょうど、頼んでいた串揚げがテーブルの上に届いた。三本入った串揚げは衣を見るだけで揚げたてというのが分かる。このまま食べると火傷もしてしまいそうだと…思ってみていると、
「俺は猫舌だから後でいい」
「そうですか。では私が先に頂きます」
思った通りの串揚げは揚げたてで私も気を付けないと火傷してしまいそうだった。