あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
 銀色に輝く綺麗な海を背中に太陽の輝きはサラサラと風に靡く髪には光の輪と艶を増し、小林さんは私の前に立つ。優しく、そして、情熱的に見つめる人は私が一番大好きで一番大事にしたい人。私の心が砕けてもいいと思うくらいに好きな人から私は今からの人生を一緒に歩いて行こうという手を差しのばされている。


「よろしくお願いします。二年間私を待っていて貰えますか?」


「もちろん。俺は美羽ちゃんが帰ってくるのを待つ。だから、美羽ちゃんも安心して留学してきて」


「ありがとう。とっても嬉しいです」


 私が心の思いを込めてそういうと、小林さんはそのまま私の身体をキュッと抱き締めた。私も小林さんから離れたくなくてキュッと背中を掴む。そして、小林さんの腕が緩むと優しい唇が私の唇に触れた。すこし乾いた唇の感覚が私に現実を感じさせる。重ねるだけの唇から零れる優しさと愛情に私は溺れてしまいそうだった。


「ありがとう。美羽。絶対に幸せにする」


 小林さんの囁く甘く真摯な言葉に『もうこれ以上ないくらいに幸せです』と思いながら頷いた。
< 129 / 498 >

この作品をシェア

pagetop