あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
楽しい時間の過ぎるのは早い。
一緒に買い物に行き、軽く四人前の鍋を作り、今はお鍋は最後の締めの雑炊まで終わって見事に空になっている。私も食べたけど、ほとんどは小林さんのお腹の中に入って行ってしまっていた。
私はというと、美味しそうに食べる小林さんの姿を見ているだけで幸せを感じていて…。
それでも小林さんに身体のためと言われ、自分が食べれる分だけ口に運ぶ。美味しいけど、あまり食べれない私に小林さんは何も言わずに見守ってくれていた。
時折、『美羽ちゃんも食べないと俺のお腹に消えるよ』なんて言いながら笑いを誘う。
片づけが終わった頃にはお別れの時間が近づいていることを私は知っている。『そろそろ帰ります』そんな言葉を私は言えないでいた。帰らないといけないと思うのに、もっと一緒に居たいと思う気持ちが抑えきれない。でも、もう帰らないと本気で帰れなくなると思った時に先に声を出したのは小林さんの方だった。
「真面目な話していい?」
「はい」
「美羽ちゃんを今日は帰さないと言ったらどうする?」
「えっと…嫌じゃないですが、困ります」
「困る?」
「着替えないし、それにこれ以上小林さんと一緒にいると自分がどうなるか分からないです」
「どうなるって?」
「もう二度と自分の部屋に帰れなくなりそう」
「それって、このまま帰らないでずっとここに住むって解釈していい?」
一緒に買い物に行き、軽く四人前の鍋を作り、今はお鍋は最後の締めの雑炊まで終わって見事に空になっている。私も食べたけど、ほとんどは小林さんのお腹の中に入って行ってしまっていた。
私はというと、美味しそうに食べる小林さんの姿を見ているだけで幸せを感じていて…。
それでも小林さんに身体のためと言われ、自分が食べれる分だけ口に運ぶ。美味しいけど、あまり食べれない私に小林さんは何も言わずに見守ってくれていた。
時折、『美羽ちゃんも食べないと俺のお腹に消えるよ』なんて言いながら笑いを誘う。
片づけが終わった頃にはお別れの時間が近づいていることを私は知っている。『そろそろ帰ります』そんな言葉を私は言えないでいた。帰らないといけないと思うのに、もっと一緒に居たいと思う気持ちが抑えきれない。でも、もう帰らないと本気で帰れなくなると思った時に先に声を出したのは小林さんの方だった。
「真面目な話していい?」
「はい」
「美羽ちゃんを今日は帰さないと言ったらどうする?」
「えっと…嫌じゃないですが、困ります」
「困る?」
「着替えないし、それにこれ以上小林さんと一緒にいると自分がどうなるか分からないです」
「どうなるって?」
「もう二度と自分の部屋に帰れなくなりそう」
「それって、このまま帰らないでずっとここに住むって解釈していい?」