あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
時間の流れ
研究室に入ると何時もの空間が広がっている。それが心地よいと思うと同時にもうすぐここから去らなければいけないと思うと感傷も入り混じる。私は何をここで出来たのかと自分の中で考えてしまうのはこの研究室が好きだったからだと思う。
「そんなところに立っている暇があれば、早くデータを出せ」
そんな中垣先輩の言葉に私は現実に舞い戻る。
「はい。すぐに」
私は持っていたバッグをロッカーに入れると、自分のパソコンに電源を入れた。電源はすぐに画面に光を入れ、そして、今日の仕事の始まりを教えてくれる。中垣先輩が言っているデータを出すと、中垣先輩はそれを手を伸ばして受け取る。勿論、パソコンから視線を外すことはない。
でも、それでよかった。
私はこの関係が一番楽だと思う。
私は席に座るとキーボードに手を乗せるとゆっくりと自分の仕事を始めた。ゆっくりとだけど確実に時間は流れていて、私はいつも以上に集中出来ているように思えた。頑張りたいと思う気持ちがこんなにも普段の生活に作用するなんて…私は恋を甘く見ていたのかもしれない。
「俺がこんなことをいうのはおかしいが…」
集中してパソコンに向かう私の耳に届いたのは中垣先輩の声だった。
「なんですか?」
「別に俺がいうことじゃないけど、坂上は小林と付き合っていて、フランス留学後、結婚するんだよな」
なんでこのタイミングで中垣先輩はそんなことを言うのだろう。
「そんなところに立っている暇があれば、早くデータを出せ」
そんな中垣先輩の言葉に私は現実に舞い戻る。
「はい。すぐに」
私は持っていたバッグをロッカーに入れると、自分のパソコンに電源を入れた。電源はすぐに画面に光を入れ、そして、今日の仕事の始まりを教えてくれる。中垣先輩が言っているデータを出すと、中垣先輩はそれを手を伸ばして受け取る。勿論、パソコンから視線を外すことはない。
でも、それでよかった。
私はこの関係が一番楽だと思う。
私は席に座るとキーボードに手を乗せるとゆっくりと自分の仕事を始めた。ゆっくりとだけど確実に時間は流れていて、私はいつも以上に集中出来ているように思えた。頑張りたいと思う気持ちがこんなにも普段の生活に作用するなんて…私は恋を甘く見ていたのかもしれない。
「俺がこんなことをいうのはおかしいが…」
集中してパソコンに向かう私の耳に届いたのは中垣先輩の声だった。
「なんですか?」
「別に俺がいうことじゃないけど、坂上は小林と付き合っていて、フランス留学後、結婚するんだよな」
なんでこのタイミングで中垣先輩はそんなことを言うのだろう。