あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
いつもと全く変わらない一日を過ごした私がいつもと違うのは研究所を出た私の手には持ちきれないほどのプレゼントと花束があったことだった。花束は所長が用意してくれたもので、嬉しいというよりは驚く方が先で、あの仕事しか興味のなさそうな所長だけど、こんなに可愛い花束を用意できるのだと…。丸く作られた花束はオレンジの薔薇と黄色のガーベラで作られたブーケタイプのもので綺麗というよりも可愛らしいものだった。
私は一度、研究所を振り返り、ゆっくりと頭を下げた。
「ありがとうございます」
この研究所に来て、時間も経たずに今度はフランスの研究所に行く。自分の変わりゆく状況に流されながらも頑張るしかないと自分に言い聞かせた。ここで学んだことはたくさんある。そして、これからの道もこの場所から始まる。
自分にどこまで出来るか分からない。
それでも前を向いて歩くしかない。
研究所の中にある中垣先輩と私の研究室の場所の明かりは消えていない。中垣先輩がまだ研究に没頭しているのだろう。そこは私が頑張ってきた場所。そして、いつか帰ってくる場所。
定時を過ぎた研究所は群青色に包まれながらも、その存在感を私に見せる。そして、その研究所の姿を胸の奥にしまいながら…。
私は日本での最後の仕事を終らせたのだった。
私は一度、研究所を振り返り、ゆっくりと頭を下げた。
「ありがとうございます」
この研究所に来て、時間も経たずに今度はフランスの研究所に行く。自分の変わりゆく状況に流されながらも頑張るしかないと自分に言い聞かせた。ここで学んだことはたくさんある。そして、これからの道もこの場所から始まる。
自分にどこまで出来るか分からない。
それでも前を向いて歩くしかない。
研究所の中にある中垣先輩と私の研究室の場所の明かりは消えていない。中垣先輩がまだ研究に没頭しているのだろう。そこは私が頑張ってきた場所。そして、いつか帰ってくる場所。
定時を過ぎた研究所は群青色に包まれながらも、その存在感を私に見せる。そして、その研究所の姿を胸の奥にしまいながら…。
私は日本での最後の仕事を終らせたのだった。