あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
静かな部屋に私の声だけが響く。誰もいないけど自然と言葉が零れるようになっていた。私の声に誰も応えてくれないけど、それで満たされる。この部屋で過ごす時間はとっても短い。週末までの四日間だけなのに、ずっとここに居れるような気がするから不思議だった。
私は『おじゃまします』というと何度も小林さんに窘められ、その都度『ただいま』と言い直しをさせられていた。
『自分の部屋に戻ってきたのに、『お邪魔します』はない。美羽ちゃんは自分の部屋に帰ってきてお邪魔しますって言うの?』
その小林さん効果か一人で戻った時も私に自然に『ただいま』と言わせる。『おじゃまします』と『ただいま』に違いは言葉の違いだけではない。一緒に住むということ。ここが私の新しい家で帰ってくる場所だということを小林さんは教えてくれる。
リビングに行き、荷物をテーブルの上に置くバルコニーに続く扉を開け、寝室にも行き窓を開け、空気の入れ替えをする。日中に籠った空気がサラッとした外の空気と入れ替わるのは気持ちいいと思うし、少しでも小林さんが過ごしやすいと思って欲しい。
一人暮らしの時はどうでもよかったことが一緒に暮らすと違う。少しでも心地よく過ごして欲しいと思う気持ちだけが私に中にある。一人でマンションに住んでいた時はこんなこと思いもしなかった。
私は『おじゃまします』というと何度も小林さんに窘められ、その都度『ただいま』と言い直しをさせられていた。
『自分の部屋に戻ってきたのに、『お邪魔します』はない。美羽ちゃんは自分の部屋に帰ってきてお邪魔しますって言うの?』
その小林さん効果か一人で戻った時も私に自然に『ただいま』と言わせる。『おじゃまします』と『ただいま』に違いは言葉の違いだけではない。一緒に住むということ。ここが私の新しい家で帰ってくる場所だということを小林さんは教えてくれる。
リビングに行き、荷物をテーブルの上に置くバルコニーに続く扉を開け、寝室にも行き窓を開け、空気の入れ替えをする。日中に籠った空気がサラッとした外の空気と入れ替わるのは気持ちいいと思うし、少しでも小林さんが過ごしやすいと思って欲しい。
一人暮らしの時はどうでもよかったことが一緒に暮らすと違う。少しでも心地よく過ごして欲しいと思う気持ちだけが私に中にある。一人でマンションに住んでいた時はこんなこと思いもしなかった。