あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
折戸さんは何が何だか分からずに焦る私とニコニコと笑う小林さんをその場に置いて搭乗口に向かって歩き出sた。何度か振り返ってから、また私たちの方に手を振り、そして、私と小林さんの視界から消えてしまった。フランスに来てからずっと折戸さんに頼っていたから、不安だったし、折戸さんが帰国すると、きっと寂しくて堪らなくなると思っていた。
でも、その寂しさは違った意味で消えることになる。驚き過ぎると声も涙さえ出ないことを私は知った。折戸さんをぎこちながらでも見送れたことはよかったとは思うけど、今は目の前の現実に焦る。
「美羽ちゃん」
名前を不意に呼ばれて振り向くと思っていたよりも近い距離に小林さんの身体があって、私の身体がぶつかってしまった。
「あ、すみません」
急いで後ろに避けようとするけど、キュッと回された小林さんの手は私の腕を握り、それをさせてくれない。しっかりと見つめる瞳が深く澄んでいる。
「俺から逃げないで、会いたかったんだ」
「逃げてないです。ちょっと吃驚して、今も混乱しています。これが夢じゃないかって」
「そんなに吃驚した?」
「しますよ。心臓が止まりそうになりました。でも、どうしてフランスに?」
私の心臓は本当に早鐘を打ち続けている。あまりの驚きのために一瞬止まりかけ、その後は一気に早鐘を打ち続けている。本当に倒れそうなほで、小林さんの登場は私にとって驚き以外のなんでもなかった。
でも、その寂しさは違った意味で消えることになる。驚き過ぎると声も涙さえ出ないことを私は知った。折戸さんをぎこちながらでも見送れたことはよかったとは思うけど、今は目の前の現実に焦る。
「美羽ちゃん」
名前を不意に呼ばれて振り向くと思っていたよりも近い距離に小林さんの身体があって、私の身体がぶつかってしまった。
「あ、すみません」
急いで後ろに避けようとするけど、キュッと回された小林さんの手は私の腕を握り、それをさせてくれない。しっかりと見つめる瞳が深く澄んでいる。
「俺から逃げないで、会いたかったんだ」
「逃げてないです。ちょっと吃驚して、今も混乱しています。これが夢じゃないかって」
「そんなに吃驚した?」
「しますよ。心臓が止まりそうになりました。でも、どうしてフランスに?」
私の心臓は本当に早鐘を打ち続けている。あまりの驚きのために一瞬止まりかけ、その後は一気に早鐘を打ち続けている。本当に倒れそうなほで、小林さんの登場は私にとって驚き以外のなんでもなかった。