あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
「美羽ちゃんを思うお兄さんたちの策略だよ。本当に甘い二人だと思う。それでここに来れたのだから俺は感謝しているけどね。ウチの会社の社員教育の一環として若手社員は海外の支社の視察に行くことが出来るというのがあるのは知ってる?俺がフランスに来たのはその社員教育の一環。
でも、普通はアメリカに行くことが多い。ニューヨークやボストンの支社なんかが主な研修先になるんだ。それなのに俺はフランス。勿論、そんな社員教育に応募もしてない。これって、何かの策略だよね。それも今日のこの時間に到着なんだよ」
社員教育の一環で海外の支社に研修に行くことがあるのは聞いたことがある。でも、応募もしてないのに、海外研修になるのも、一般的な研修先とも違うのも小林さんの言うとおり、策略であり、優しさでもある。
「そうですよね。折戸さんがお願いしてくれたのでしょうか?」
「いや。折戸さんだけじゃない。この話には高見主任が噛んでいると思う。折戸さんじゃ、本社の総務は動かせない。でも、アメリカ以外の支社となると受け入れ体制が整わないと視察は無理だと思うから、フランス支社に居た折戸さんも動いてくれたと思うよ」
「そうなんですね」
二人の策略という優しさによって、私は小林さんに一年ぶりに会うことが出来た。会いたくてたまらなかったのに何を話していいのかさえ、わからなくなる。でも、そんな私とは違って小林さんはニッコリと笑った。
「会いたかったよ。美羽」
でも、普通はアメリカに行くことが多い。ニューヨークやボストンの支社なんかが主な研修先になるんだ。それなのに俺はフランス。勿論、そんな社員教育に応募もしてない。これって、何かの策略だよね。それも今日のこの時間に到着なんだよ」
社員教育の一環で海外の支社に研修に行くことがあるのは聞いたことがある。でも、応募もしてないのに、海外研修になるのも、一般的な研修先とも違うのも小林さんの言うとおり、策略であり、優しさでもある。
「そうですよね。折戸さんがお願いしてくれたのでしょうか?」
「いや。折戸さんだけじゃない。この話には高見主任が噛んでいると思う。折戸さんじゃ、本社の総務は動かせない。でも、アメリカ以外の支社となると受け入れ体制が整わないと視察は無理だと思うから、フランス支社に居た折戸さんも動いてくれたと思うよ」
「そうなんですね」
二人の策略という優しさによって、私は小林さんに一年ぶりに会うことが出来た。会いたくてたまらなかったのに何を話していいのかさえ、わからなくなる。でも、そんな私とは違って小林さんはニッコリと笑った。
「会いたかったよ。美羽」