あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
食事を終らせた私と小林さんはアパルイトマンから駅まで歩き、まずはメトロに乗って、パリのシャンゼリゼ通りに行くことにした。煌びやかな通りは夜もそうだけど、昼もたくさんの人で賑わいを見せている。
車で動いてもよかったけど、こんな風に公共交通機関の方が日本以外の日常に触れるための海外研修の意義であると思う。小林さんも慣れない場所で運転するよりはメトロの方がいいだろう。駅はたくさんの人が溢れていて、金髪碧眼のモデルのような女性が駅で電車を待っている姿は有名雑誌のファッション誌の表紙を思い出される。
シンプルな装いが一段の女の人のスタイルの良さを引き立てている。そんな綺麗な人に見とれている私に小林さんはニッコリと笑って私の手を引いた。
「迷子になるよ」
フランス在住の私にいう言葉としては可笑しいけど、実際に私がシャンゼリゼ通りに来るのはこの一年の間に数えるほどしかない上に、いつもは素通り。でも、今日はここに結婚指輪を買いに来ている。
普通の店で買うと思っていたのに、小林さんは私とは考えが違っていて、躊躇いもせずに有名ブランドのジュエリーショップに入っていく。一歩入っただけで場違いだと思った。日本でもこんなに高級な店には入ったことがないのに、フランスのパリの本店となるともう異次元の空間だった。
緊張しすぎて喉が渇いてしまう。店に入った私と小林さんは優雅な物腰の店員さんが優しい声で話しかけてきた。日本語だった。流暢な日本語を話す店員はどこから見てもフランスの方で輝く金の髪を綺麗に整え、透き通るような碧眼を私に見せている。ブランドの格式もあるのだろうけど、日本人だけでなくたくさんの言葉を話せるとしか思えない。母国語のように流暢だった。
「結婚指輪をみたいのですが」
ハッキリと言った小林さんの言葉に私が見上げると、綺麗な微笑みを零される。誰よりも優しい微笑みが私だけに向けられていた。
車で動いてもよかったけど、こんな風に公共交通機関の方が日本以外の日常に触れるための海外研修の意義であると思う。小林さんも慣れない場所で運転するよりはメトロの方がいいだろう。駅はたくさんの人が溢れていて、金髪碧眼のモデルのような女性が駅で電車を待っている姿は有名雑誌のファッション誌の表紙を思い出される。
シンプルな装いが一段の女の人のスタイルの良さを引き立てている。そんな綺麗な人に見とれている私に小林さんはニッコリと笑って私の手を引いた。
「迷子になるよ」
フランス在住の私にいう言葉としては可笑しいけど、実際に私がシャンゼリゼ通りに来るのはこの一年の間に数えるほどしかない上に、いつもは素通り。でも、今日はここに結婚指輪を買いに来ている。
普通の店で買うと思っていたのに、小林さんは私とは考えが違っていて、躊躇いもせずに有名ブランドのジュエリーショップに入っていく。一歩入っただけで場違いだと思った。日本でもこんなに高級な店には入ったことがないのに、フランスのパリの本店となるともう異次元の空間だった。
緊張しすぎて喉が渇いてしまう。店に入った私と小林さんは優雅な物腰の店員さんが優しい声で話しかけてきた。日本語だった。流暢な日本語を話す店員はどこから見てもフランスの方で輝く金の髪を綺麗に整え、透き通るような碧眼を私に見せている。ブランドの格式もあるのだろうけど、日本人だけでなくたくさんの言葉を話せるとしか思えない。母国語のように流暢だった。
「結婚指輪をみたいのですが」
ハッキリと言った小林さんの言葉に私が見上げると、綺麗な微笑みを零される。誰よりも優しい微笑みが私だけに向けられていた。