あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
前に貰ったのは婚約指輪。で、今日買うのは結婚指輪になる。
「かしこまりました。こちらにどうぞ」
そんな言葉と共に案内されたのは店の奥の方にあるガラスケースの前で、その中には結婚指輪が並んでいる。婚約指輪と違って大き目な宝石はついてないけど、それでも、色々な種類のものが揃っている。シンプルなものから、ダイヤでグルっと周りを飾ったものまである。
シンプルなものでも指輪のラインにノーブルさが漂っているように思えた。指輪の後ろにチラッと見えるプライスカードは思っていたよりもかなり高い。ブランドの物であると思うけど、それにしても高すぎる。横を見ると小林さんは平然としているので、もしかしたら、私の左手に光っている指輪は給料の三か月分では間に合わないのではないかとさえ思われた。
小林さんがその中から一つの指輪を取ると、私の左手の薬指の婚約指輪を外すと結婚指輪をゆっくりと通す。最初に手に取ったのはぐるっとダイヤが巻いた指輪でこの中でも一番華やかなものだった。
キラキラと輝く自分の左手を見ながら、私は息を飲む。研究しかしていない私には勿体ない気もする。
「綺麗ですけど、ちょっと」
私が左手から視線を外せないでいると、小林さんはそっと指から指輪を抜くと、又別の指輪を私の指に入れる。さっきのよりも作りが繊細で指が細く綺麗に見える。指に入れた瞬間、小林さんが私の指をそっと撫でた。
「これならどう?俺は似合うと思うけど」
「綺麗ですね」
「うん。これにしよう」
幾つもある中で私が一番いいと思ったのも小林さんがいいと思ったのも一緒だった。小林さんも自分の指に嵌めてみて、手を翳したり、広げたりとしている。
「やっぱりこれにしよ」
「かしこまりました。こちらにどうぞ」
そんな言葉と共に案内されたのは店の奥の方にあるガラスケースの前で、その中には結婚指輪が並んでいる。婚約指輪と違って大き目な宝石はついてないけど、それでも、色々な種類のものが揃っている。シンプルなものから、ダイヤでグルっと周りを飾ったものまである。
シンプルなものでも指輪のラインにノーブルさが漂っているように思えた。指輪の後ろにチラッと見えるプライスカードは思っていたよりもかなり高い。ブランドの物であると思うけど、それにしても高すぎる。横を見ると小林さんは平然としているので、もしかしたら、私の左手に光っている指輪は給料の三か月分では間に合わないのではないかとさえ思われた。
小林さんがその中から一つの指輪を取ると、私の左手の薬指の婚約指輪を外すと結婚指輪をゆっくりと通す。最初に手に取ったのはぐるっとダイヤが巻いた指輪でこの中でも一番華やかなものだった。
キラキラと輝く自分の左手を見ながら、私は息を飲む。研究しかしていない私には勿体ない気もする。
「綺麗ですけど、ちょっと」
私が左手から視線を外せないでいると、小林さんはそっと指から指輪を抜くと、又別の指輪を私の指に入れる。さっきのよりも作りが繊細で指が細く綺麗に見える。指に入れた瞬間、小林さんが私の指をそっと撫でた。
「これならどう?俺は似合うと思うけど」
「綺麗ですね」
「うん。これにしよう」
幾つもある中で私が一番いいと思ったのも小林さんがいいと思ったのも一緒だった。小林さんも自分の指に嵌めてみて、手を翳したり、広げたりとしている。
「やっぱりこれにしよ」