あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
窓を開けると穏やかな風を頬に受け、少し髪が揺れる。いつもは結んでいる髪も、デートの今日はそのまま下ろしている。小林さんと一緒にいるとそのままの私でいられる気がした。このままでいいんだと思うことが嬉しい。
「さっきの指輪本当に良かったんですか?」
「気に入らなかった?」
「いえ、とっても綺麗で気に入りました。でも、かなり高かったし。」
「値段はどうでもいいかな。一生使うものだし、俺が気に入って、美羽ちゃんが気に入って。それでいいよ」
そういわれると、私は何も言えなくなって、そのまま言葉を失ってしまう。小林さんは私に甘すぎる。こんなに甘やかされると小林さんなしでは生きていけなくなる気がした。後、残る留学期間は後一年。小林さんと私はその時間も乗り越えることが出来るのではないかと思う。
自分に言い聞かせているのかもしれないけど、私は信じている。
小林さんの走らせる車はゆっくりとパリを離れて行き、高い建物が並んでいるパリの街並みも次第に普通の一戸建てが並ぶ町並みに変わっていく。フランス郊外の街並みはどこか優しくて、あちらこちらにたくさんの花が植えられていてとっても綺麗だった。有名な絵画にありそうなポプラ並木を抜けると、小さな街に着いた。ここが目的地ではないと思うけど、小林さんは車を停め、微笑んだ。
「少し歩こう」
街は静かな佇まいだった。観光地と違う雰囲気にどこか優しさを感じる。石畳は少しの歩きにくさを感じさせるけど、それでも、小林さんの手に引かれて静かな時間に溶け込んでいく気がした。灰色の石造りの建物は長い歴史の中、時間をゆっくりと紡いでいる様だった。
「さっきの指輪本当に良かったんですか?」
「気に入らなかった?」
「いえ、とっても綺麗で気に入りました。でも、かなり高かったし。」
「値段はどうでもいいかな。一生使うものだし、俺が気に入って、美羽ちゃんが気に入って。それでいいよ」
そういわれると、私は何も言えなくなって、そのまま言葉を失ってしまう。小林さんは私に甘すぎる。こんなに甘やかされると小林さんなしでは生きていけなくなる気がした。後、残る留学期間は後一年。小林さんと私はその時間も乗り越えることが出来るのではないかと思う。
自分に言い聞かせているのかもしれないけど、私は信じている。
小林さんの走らせる車はゆっくりとパリを離れて行き、高い建物が並んでいるパリの街並みも次第に普通の一戸建てが並ぶ町並みに変わっていく。フランス郊外の街並みはどこか優しくて、あちらこちらにたくさんの花が植えられていてとっても綺麗だった。有名な絵画にありそうなポプラ並木を抜けると、小さな街に着いた。ここが目的地ではないと思うけど、小林さんは車を停め、微笑んだ。
「少し歩こう」
街は静かな佇まいだった。観光地と違う雰囲気にどこか優しさを感じる。石畳は少しの歩きにくさを感じさせるけど、それでも、小林さんの手に引かれて静かな時間に溶け込んでいく気がした。灰色の石造りの建物は長い歴史の中、時間をゆっくりと紡いでいる様だった。