あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
キャルが研究所を退職する日が近づいてきている。そんな中で私とキャルは研究の最後の成果をあげられるようにと必死に頑張っていた。
「美羽。そっちの資料を送って。そして、打ち込みが終わった分の資料も」
「うん。分かった。でも、もう少し時間が掛かる」
「出来るだけ急いで」
将来、何かの形で研究に携われたらいいとは言いながらも、生活の拠点が変わるからにはそう簡単にはいかないのが現実だった。キャルにとってはこの研究が最後のものになる。そんな中での研究は緊迫した空気を漂わせていた。普通なら、成果というのを得るために多大な時間と労力を掛ける。確実に成果を上げるというのはどのくらい大変かというのを思い知る。
自分の部屋に戻っても、研究の事が頭から離れない。いくつもの仮説を立てるけど、それは理論の中では上手く行くのに実際となると全くダメだったりする。それが研究の醍醐味だと知っているけど、それでも、キャルの結婚式までには形にしたいと思うから、焦ってしまう。
「美羽。資料出来た?」
「うん。どうにか。キャル。媒体の数値を見て来てくれる?」
「わかった」
キャルが研究室から出てくるとニッコリと笑った。
「媒体の中でいくつか成功しているのがある。完璧とは言えないけど、それでも、中間の報告は出来るレベルの開発は出来たと思うわ」
中間の報告が出せるレベルにまで到達出来たこと…。それは私とキャルに残された時間からすると奇跡にも近いことだった。
「美羽。そっちの資料を送って。そして、打ち込みが終わった分の資料も」
「うん。分かった。でも、もう少し時間が掛かる」
「出来るだけ急いで」
将来、何かの形で研究に携われたらいいとは言いながらも、生活の拠点が変わるからにはそう簡単にはいかないのが現実だった。キャルにとってはこの研究が最後のものになる。そんな中での研究は緊迫した空気を漂わせていた。普通なら、成果というのを得るために多大な時間と労力を掛ける。確実に成果を上げるというのはどのくらい大変かというのを思い知る。
自分の部屋に戻っても、研究の事が頭から離れない。いくつもの仮説を立てるけど、それは理論の中では上手く行くのに実際となると全くダメだったりする。それが研究の醍醐味だと知っているけど、それでも、キャルの結婚式までには形にしたいと思うから、焦ってしまう。
「美羽。資料出来た?」
「うん。どうにか。キャル。媒体の数値を見て来てくれる?」
「わかった」
キャルが研究室から出てくるとニッコリと笑った。
「媒体の中でいくつか成功しているのがある。完璧とは言えないけど、それでも、中間の報告は出来るレベルの開発は出来たと思うわ」
中間の報告が出せるレベルにまで到達出来たこと…。それは私とキャルに残された時間からすると奇跡にも近いことだった。