あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
フランス最後の朝は爽やかに迎えることが出来た。寝れないかと思っていたけど、ベッドの柔らかさと疲れで寝てしまっていた。研究を中垣先輩にスムーズに引き継げたし、これで何も心配せずに日本に帰ることが出来るというのも大きかったと思う。
私はホテルから空港に行くと、私の乗る飛行機は搭乗手続きが始まったところだった。思ったよりも時間がなくギリギリで最後の最後にバタバタしながら、トランクを預けおわり、出国ゲートに向かうことにした。出国審査には時間が掛かる。それが分かっているのに、ホテルでブランチを楽しみ過ぎたかもしれない。
チケットを持って、出国ゲートに行こうとすると急に後ろから腕を引かれた。何が起きたのかと吃驚して振り向くとそこにはキャルの姿があった。随分急いできたのが分かるくらいに息が切れている。キャルのずっと後ろの方にキャルの旦那さんの姿が見える。
空港に来て、キャルは旦那さんを置いてまで走ってきてくれたのだろう。
「間に合った。普通、日本に帰国が決まったら連絡するものでしょ。美羽は本当に研究以外は抜けているというか、人の気持ちに疎いというか」
額の汗を拭いながら、キャルは私を見つめている。そして、ゆっくりと掴んでいた腕を放すと、ニッコリと微笑みかけた。
「見送りにきてくれたの?」
「当たり前。美羽を見送り来る以外に来ないわ。美羽が日本に帰ったらしばらく会えないから、絶対に会いたかったの」
キャルは持っていた紙袋を私に手渡すと優しい笑顔を私に見せる。
「これは私のお気に入りのチョコレート。これなら機内に持ち込めるから。一つは美羽のそして、もう一つは翔の。荷物にはなるけど、我慢して持って帰ってね。それと、フランスに来たら連絡して。その時はまたワインでも飲みながらゆっくりしましょう」
私はホテルから空港に行くと、私の乗る飛行機は搭乗手続きが始まったところだった。思ったよりも時間がなくギリギリで最後の最後にバタバタしながら、トランクを預けおわり、出国ゲートに向かうことにした。出国審査には時間が掛かる。それが分かっているのに、ホテルでブランチを楽しみ過ぎたかもしれない。
チケットを持って、出国ゲートに行こうとすると急に後ろから腕を引かれた。何が起きたのかと吃驚して振り向くとそこにはキャルの姿があった。随分急いできたのが分かるくらいに息が切れている。キャルのずっと後ろの方にキャルの旦那さんの姿が見える。
空港に来て、キャルは旦那さんを置いてまで走ってきてくれたのだろう。
「間に合った。普通、日本に帰国が決まったら連絡するものでしょ。美羽は本当に研究以外は抜けているというか、人の気持ちに疎いというか」
額の汗を拭いながら、キャルは私を見つめている。そして、ゆっくりと掴んでいた腕を放すと、ニッコリと微笑みかけた。
「見送りにきてくれたの?」
「当たり前。美羽を見送り来る以外に来ないわ。美羽が日本に帰ったらしばらく会えないから、絶対に会いたかったの」
キャルは持っていた紙袋を私に手渡すと優しい笑顔を私に見せる。
「これは私のお気に入りのチョコレート。これなら機内に持ち込めるから。一つは美羽のそして、もう一つは翔の。荷物にはなるけど、我慢して持って帰ってね。それと、フランスに来たら連絡して。その時はまたワインでも飲みながらゆっくりしましょう」