あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
初恋、二度目の恋…最後の恋
あの日、私は恋をした。
恋というにはまだ足りないかもしれないけど、私の心を動かしたのは綺麗な汗を流し、マウンドに立ち涙を拭う彼だった。流す汗を綺麗だと思うのも、男の人に心を動かしたのも初めてで、そんな自分に驚いたのを覚えている。
塾に行く前のとても暑い日のことだった。
塾に行こうとしていた私はリビングを通り抜け、玄関に向かう途中…。珍しく仕事が休みだったお母さんがソファに座り、身を乗り出すように見ていたテレビの画面に何を見ているんだろうと軽い気持ちで視線を移した。そして、その画面から目が離せなかった。
試合結果は負けたのだろうか?ピッチャーマウンドに立つ彼は涙を拭うような仕草をし、空を一度仰ぐ。真夏の眩い陽射しは彼を包んでいる。
陽炎がゆらゆらとマウンドから立ち昇っていた。
恋というにはまだ足りないかもしれないけど、私の心を動かしたのは綺麗な汗を流し、マウンドに立ち涙を拭う彼だった。流す汗を綺麗だと思うのも、男の人に心を動かしたのも初めてで、そんな自分に驚いたのを覚えている。
塾に行く前のとても暑い日のことだった。
塾に行こうとしていた私はリビングを通り抜け、玄関に向かう途中…。珍しく仕事が休みだったお母さんがソファに座り、身を乗り出すように見ていたテレビの画面に何を見ているんだろうと軽い気持ちで視線を移した。そして、その画面から目が離せなかった。
試合結果は負けたのだろうか?ピッチャーマウンドに立つ彼は涙を拭うような仕草をし、空を一度仰ぐ。真夏の眩い陽射しは彼を包んでいる。
陽炎がゆらゆらとマウンドから立ち昇っていた。