あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
「もうさすがに行かないと」
「一度マンションに帰ってからとなると時間も掛かりますね」
「うーん。さすがにね。美羽ちゃんも準備があるだろうから」
私が身体を放そうとすると、小林さんの腕に力が籠る。そして、もう一度とでも言うようにキュッと抱きしめてから腕の力を緩めた。私も時間を見て、同じように溜め息を零した。本当に帰らないといけない時間になっていて、小林さんは勇気を持って立ち上がるかのように自分の身体を起こし、そして、ニッコリと笑うのだった。
「じゃあ、もうそろそろ」
私は寝室からベッドの横の置いてあったスーツの上着を持ってくると、小林さんに差し出した。すると、そのまま腕を通してスーツをその逞しい身体に纏わせた。
「なんか、こういうのもいいね」
小林さんの言葉に顔が熱くなる。そんな私に小林さんは再度、追い打ちを掛ける。
「行ってくるよ。美羽。今日は遅くなるから」
ドキドキするような言葉を急に言うから、顔が一段と赤くなる。まるで新婚のようなやり取りにドキドキが止まらない。そんな私も見ながら、小林さんはクスクス笑った。分かっていてやっているのが分かる。ちょっぴりイジワルモード。
「美羽ちゃん。顔真っ赤だよ。何、想像したの?」
「何でもないです」
「そう?」
小林さんはフッと近づいてくると、私の額に唇を落とした。ドキドキがもっと止まらなくなる。
「急がないと間に合わなくなりますよ」
「そうだね」
私が玄関まで送ると、小林さんはニッコリと微笑んで私を見つめた。
「行ってきます」
「一度マンションに帰ってからとなると時間も掛かりますね」
「うーん。さすがにね。美羽ちゃんも準備があるだろうから」
私が身体を放そうとすると、小林さんの腕に力が籠る。そして、もう一度とでも言うようにキュッと抱きしめてから腕の力を緩めた。私も時間を見て、同じように溜め息を零した。本当に帰らないといけない時間になっていて、小林さんは勇気を持って立ち上がるかのように自分の身体を起こし、そして、ニッコリと笑うのだった。
「じゃあ、もうそろそろ」
私は寝室からベッドの横の置いてあったスーツの上着を持ってくると、小林さんに差し出した。すると、そのまま腕を通してスーツをその逞しい身体に纏わせた。
「なんか、こういうのもいいね」
小林さんの言葉に顔が熱くなる。そんな私に小林さんは再度、追い打ちを掛ける。
「行ってくるよ。美羽。今日は遅くなるから」
ドキドキするような言葉を急に言うから、顔が一段と赤くなる。まるで新婚のようなやり取りにドキドキが止まらない。そんな私も見ながら、小林さんはクスクス笑った。分かっていてやっているのが分かる。ちょっぴりイジワルモード。
「美羽ちゃん。顔真っ赤だよ。何、想像したの?」
「何でもないです」
「そう?」
小林さんはフッと近づいてくると、私の額に唇を落とした。ドキドキがもっと止まらなくなる。
「急がないと間に合わなくなりますよ」
「そうだね」
私が玄関まで送ると、小林さんはニッコリと微笑んで私を見つめた。
「行ってきます」