あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
小林さんはあれからすぐに自分の着替えを私の部屋に持ってきてくれて、私のクローゼットの一角に小林さんの物がある。元々、お互いに仕事が忙しく私の部屋に泊まるということは少なかったけど、それでも、泊まった時は二人で朝ご飯を食べてから一緒に出勤する。
仕事は順調。恋も順調。私は幸せだった。
研究というのはすぐに出来るものではない。でも、中垣先輩の頭脳と努力によって次第に形になっていく。弾力性は最初、継続しなかった。でも、色々な研究を重ねて行くと少しずつだけど製品が向上していき、高見主任の期限に目途が少しずつ近づいている。これは研究員として嬉しい事だった。
それはある日のことだった。
いつものように中垣先輩は研究に没頭していて、昼の休みの時間になったことさえ分かってないようだった。声を掛けても言われる言葉は想像出来るので、私は一人で研究所の食堂に来ていた。
研究所では自分の研究の合間に食事をする。私は食堂の一番窓際に座ると、ガラス越しの柔らかい日差しを浴びながら、食事をすることにした。ゆっくりとさっきの研究のことを考えながら食事をする。研究の成果も上々なので、気持ち的にゆっくりしていた。その気持ちの緩みが穏やかに食事を取る気持ちにさせている。
「坂上さんがこの時間にいるなんて珍しいね。前にいいかな」
そう言って私の前に座ったのは所長だった。所長は気さくな人で、食堂で人を見つけると誰であろうと話しかけてくる。研究所という場所では珍しいほどの社交家だと私は思っている。
仕事は順調。恋も順調。私は幸せだった。
研究というのはすぐに出来るものではない。でも、中垣先輩の頭脳と努力によって次第に形になっていく。弾力性は最初、継続しなかった。でも、色々な研究を重ねて行くと少しずつだけど製品が向上していき、高見主任の期限に目途が少しずつ近づいている。これは研究員として嬉しい事だった。
それはある日のことだった。
いつものように中垣先輩は研究に没頭していて、昼の休みの時間になったことさえ分かってないようだった。声を掛けても言われる言葉は想像出来るので、私は一人で研究所の食堂に来ていた。
研究所では自分の研究の合間に食事をする。私は食堂の一番窓際に座ると、ガラス越しの柔らかい日差しを浴びながら、食事をすることにした。ゆっくりとさっきの研究のことを考えながら食事をする。研究の成果も上々なので、気持ち的にゆっくりしていた。その気持ちの緩みが穏やかに食事を取る気持ちにさせている。
「坂上さんがこの時間にいるなんて珍しいね。前にいいかな」
そう言って私の前に座ったのは所長だった。所長は気さくな人で、食堂で人を見つけると誰であろうと話しかけてくる。研究所という場所では珍しいほどの社交家だと私は思っている。