君と出逢えたこと
それからの私達は毎日の様に会った。



昼間はバイト先にトシが来た。



夜は主人が帰るまでメールをしながら過ごした。



主人が帰ってきて子供を寝かせて主人が寝るのを待ってから夜中にこっそり抜け出してトシの自宅近くまで迎えに行き、山添の空き地に車を止めて朝まで話したりした。



朝までと言っても主人が朝が早いからほんの三時間ほどだった。



「ゆき…愛してる。俺…今までチャラく生きてきたけどこんなに真剣に惚れたん初めて」



そんなトシの真っ直ぐな気持ちに私もどんどん溺れていった。



「トシ…私も好きやで…でも…怖い…トシにはいっぱい女友達も居てるし…」



そう。



トシには女友達や元カノさんとの繋がりがたくさんあった。



バイト先でもよく女の子からメールや電話があるのが気になってた。



トシは彼女が出来たと素直に話してくれてたけどそれでも私は不安だった。



けど私は10才も年上。



しかも人妻。



私がトシに何か言える訳がなかった。




「ゆきが不安になるなら縁切るから!」



トシはそう言って携帯を取り出し、女の子の連絡先を片っ端から消していった。




「トシ…」



その行動に驚いたけど、凄く嬉しかった。



「俺はゆきがおったらいいねん!ゆきがおらんかったら生きてる意味が無いねん!」



トシは必死だった。



「トシ…ありがとう…私も大好きやで」

「ゆき!俺も」



そして強く…強く抱き締めあった…



それから二人は一つになった。



トシは凄く優しくて…

何度も名前を呼びながら優しく私を愛してくれた。



私は幸せだ…



愛に餓えてた私にとって、真っ直ぐなトシの気持ちは最高のサプリメントだった
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