君と出逢えたこと
別々の道
「これ何や…」



主人が手紙を手にしながら言った。



え…?


泣いてる?



「いつからや!お前…10才も年下って…まだガキやんけ!何でや!何でやねん…」



何も言えなかった…



手紙を見られた。



全てを知られた。



私は重くなった口を開き、ここ数年スキンシップが無かった事、私には無関心だと思った事、凄く孤独だったこと、愛されてないと思ってたと話した。



そしてうつ病の事も。



一年前くらいから頭痛にイライラ、不眠が続き、激しく買い物してしまったり、どんより落ち込んだりすることがあり、心療内科を探して受診したのだ。


診断はうつ病。


バイトを始めて、話し相手が増えてからは少しは落ち着いてたが、それでも薬は飲んでた。


その事に全く気づかなかった主人。



心にあった孤独や不満を全て打ち明けた。



「愛してないわけ無いやんけ…連休ができたらディズニーランドに連れて行こうって貯金もしてたんや…それやのに…なんでやねん…」



「え…?」



私はびっくりした。



無関心で愛なんか無いと思ってたから…



私がディズニーランドが好きで、二人目を妊娠中と、出産してからの二回、旅行で行った。



また行きたいと思ってたけど借金をしてしまったから旅行は諦めてた。



「お前はどうしたいねん…」



どうしたい?



私は…どうしたい?



旦那が嫌いになったわけじゃない…



ディズニーランドの旅行の話を聞いて罪悪感の方が大きかった。

旦那には僅かな金額しかお小遣いは渡して無かったからどんなにやりくりして貯金したかと思うと胸が苦しくなった。
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