君と出逢えたこと
「本当に…ごめんなさい…」



「……もう解った…」


そう言って主人はリビングを後にした。



本当にバカだ…



失いかけて本当に気づくとはこのことだ。



大切なものがたくさん見えてくる。



けど、だから主人をやっぱり愛してるのかと聞かれるとそれはわからない。



ただこの環境に浸っていたいだけなのかもしれない。



トシへの気持ちも嘘じゃない



でもこの今の生活全てと交換にトシと一緒になるにはあまりに時間が短すぎて…



私の気持ちは揺らぐばりだった。



夜中の3時…


リビングにポツンと一人…



このリビング…

オープンキッチンにしたからリビングとダイニングが一つになってて20畳以上ある。



この円卓…



家族が増えても囲めるようにって直径170センもあるこの円卓。



いつかこの円卓が家族の思い出になるんやって主人がこだわって買った。



その円卓でまさか離婚話をするなんて思っても無かった。



浅はかだった。



何もかもうつ病や主人のせいにして何も見ようとして無かった。



主人はこんなに私達を見てくれてたのに。



やのに私は…
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