俺様御曹司と蜜恋契約
「ったく。もう時間かよ」
葉山社長が髪をかき上げながら私の上からゆっくりと体をどける。と、私もすぐに体を起こしソファから立ち上がると少し乱れてしまった髪の毛を整えた。
葉山社長はそのまま扉へと向かい歩いて行く。
「あっそうだ」
ドアノブに手をかけると私を振り返った。
「知り合いのパティシエからケーキたくさん貰ったんだ。お前なんかがめったに食えない高級ケーキだぞ。選りすぐりの高級果物がふんだんに乗ったフルーツタルドだ。今日の食事のあとに一緒に食おうぜ」
「え…あのっ」
「じゃ、また今夜な」
一方的に話を進めて葉山社長は部屋を後にしてしまった。
まだ行くなんて言っていないのに。
「――はぁ…」
きっと今日の仕事が終わって会社を出ると葉山社長の愛車である派手な黄色の高級車が止まっていることを想像したらついため息がこぼれてしまった。
それでも次の瞬間には頭の中で肉じゃがの材料と作り方を思い出していたり、食事のあとの高級フルーツタルトを思い浮かべてつい楽しみにしてしまっている自分もいたりして……。
すっかりもう私は葉山社長のペースに飲まれてしまっているのかもしれない。
そんな自分にまた深いため息がこぼれた。
葉山社長が髪をかき上げながら私の上からゆっくりと体をどける。と、私もすぐに体を起こしソファから立ち上がると少し乱れてしまった髪の毛を整えた。
葉山社長はそのまま扉へと向かい歩いて行く。
「あっそうだ」
ドアノブに手をかけると私を振り返った。
「知り合いのパティシエからケーキたくさん貰ったんだ。お前なんかがめったに食えない高級ケーキだぞ。選りすぐりの高級果物がふんだんに乗ったフルーツタルドだ。今日の食事のあとに一緒に食おうぜ」
「え…あのっ」
「じゃ、また今夜な」
一方的に話を進めて葉山社長は部屋を後にしてしまった。
まだ行くなんて言っていないのに。
「――はぁ…」
きっと今日の仕事が終わって会社を出ると葉山社長の愛車である派手な黄色の高級車が止まっていることを想像したらついため息がこぼれてしまった。
それでも次の瞬間には頭の中で肉じゃがの材料と作り方を思い出していたり、食事のあとの高級フルーツタルトを思い浮かべてつい楽しみにしてしまっている自分もいたりして……。
すっかりもう私は葉山社長のペースに飲まれてしまっているのかもしれない。
そんな自分にまた深いため息がこぼれた。