俺様御曹司と蜜恋契約
商店街の再開発計画を両親から知らされたのが金曜日の夜のこと。
実はあれからあまり眠れていない。
ベッドに入って目を瞑るとどうしても商店街のことを考えてしまう。
もしも森堂商店街が再開発でなくなってしまったら?お店がなくなったら?…きっとみんなが悲しむ。陽太の夢が叶わなくなってしまう。そんなことをぐるぐると考えてしまう休日だった。
(この会社は森堂商店街の敵なんだ……)
改めて葉山グループ本社ビルの立派なエントランスを見渡す。
高層ビルを丸ごと自社の本社ビルにしている葉山グループはその規模の大きさや社員数でみるように、日本トップクラスの企業であることがよくわかる。
そんな大企業が森堂商店街に再開発の計画をたてているなんて。
母親の言っていた通り、反対運動を続けてもこの大企業に太刀打ちなんてできるのかなぁ…。
「--はぁ…」
ため息をこぼしながらコートのポケットに手を入れるとそこには飴玉が一粒入っていた。ここへ来るときの電車の中で穂高部長から貰った飴だ。
包装紙を取り、普通の飴玉よりもやや大き目なそれを口の中へ放り込めばほんのりとイチゴの味が広がる。
そのまま口の中で飴玉を転がしていると、突然、エントランスの様子が騒がしくなったことに気が付いた。飛び交う人の声、忙しなく歩く足音。
すると奥からスーツ姿の男性社員3人が現れ、正面玄関に向かって小走りでかけていく。
何事だろう…?
そう思って彼らの向かった方へと視線を向ければ、そこへちょうど一台の黒塗りの車が横付けされたところだった。
実はあれからあまり眠れていない。
ベッドに入って目を瞑るとどうしても商店街のことを考えてしまう。
もしも森堂商店街が再開発でなくなってしまったら?お店がなくなったら?…きっとみんなが悲しむ。陽太の夢が叶わなくなってしまう。そんなことをぐるぐると考えてしまう休日だった。
(この会社は森堂商店街の敵なんだ……)
改めて葉山グループ本社ビルの立派なエントランスを見渡す。
高層ビルを丸ごと自社の本社ビルにしている葉山グループはその規模の大きさや社員数でみるように、日本トップクラスの企業であることがよくわかる。
そんな大企業が森堂商店街に再開発の計画をたてているなんて。
母親の言っていた通り、反対運動を続けてもこの大企業に太刀打ちなんてできるのかなぁ…。
「--はぁ…」
ため息をこぼしながらコートのポケットに手を入れるとそこには飴玉が一粒入っていた。ここへ来るときの電車の中で穂高部長から貰った飴だ。
包装紙を取り、普通の飴玉よりもやや大き目なそれを口の中へ放り込めばほんのりとイチゴの味が広がる。
そのまま口の中で飴玉を転がしていると、突然、エントランスの様子が騒がしくなったことに気が付いた。飛び交う人の声、忙しなく歩く足音。
すると奥からスーツ姿の男性社員3人が現れ、正面玄関に向かって小走りでかけていく。
何事だろう…?
そう思って彼らの向かった方へと視線を向ければ、そこへちょうど一台の黒塗りの車が横付けされたところだった。