俺様御曹司と蜜恋契約
「優子の想いを知ったとき急に自分の中にある陽太への想いが萎んでいきました。ううん、好きだって気持ちは変わらなかったけど、陽太と私が付き合ったら優子が傷付くと思った。本当に優子が1人ぼっちになってしまうと思った」
「だからお前は身を引いたってわけか」
「……はい」
優子の想いを知った次の日はちょうど陽太から告白をされた一週間後のことだった。
『付き合っている人がいるから陽太とは付き合えない』
そんな嘘をついて私は陽太をフッた。
『だから陽太は私じゃなくて優子の側にいてあげて』
そう言うと、陽太は私から視線をそらした。何も言わずに背中を向けてそのままその場を去ってしまった。
あのときの私は優子を傷つけたくないという思いだけにとらわれてしまって陽太のことが見えていなかった。今になって思えば、きっと私は陽太のことを傷つけてしまっていたのかもしれない。
それからしばらくして2人が付き合い始めたと知った。優子は通訳になるという夢を諦めて実家の花屋でお兄さん夫婦と一緒に働きながら、陽太の家にも通い一緒に和菓子作りの勉強もしていると楽しそうに私に話してくれた。
優子には私も陽太が好きだということも陽太から告白をされたことも話してはいない。だからそれからも普通に会うことができたし優子が幸せそうで私も嬉しかった。
でも陽太とはあれから気まずくて連絡を取ることも会うこともなくなって、気が付けばそれから2年が経っていた――。
「だからお前は身を引いたってわけか」
「……はい」
優子の想いを知った次の日はちょうど陽太から告白をされた一週間後のことだった。
『付き合っている人がいるから陽太とは付き合えない』
そんな嘘をついて私は陽太をフッた。
『だから陽太は私じゃなくて優子の側にいてあげて』
そう言うと、陽太は私から視線をそらした。何も言わずに背中を向けてそのままその場を去ってしまった。
あのときの私は優子を傷つけたくないという思いだけにとらわれてしまって陽太のことが見えていなかった。今になって思えば、きっと私は陽太のことを傷つけてしまっていたのかもしれない。
それからしばらくして2人が付き合い始めたと知った。優子は通訳になるという夢を諦めて実家の花屋でお兄さん夫婦と一緒に働きながら、陽太の家にも通い一緒に和菓子作りの勉強もしていると楽しそうに私に話してくれた。
優子には私も陽太が好きだということも陽太から告白をされたことも話してはいない。だからそれからも普通に会うことができたし優子が幸せそうで私も嬉しかった。
でも陽太とはあれから気まずくて連絡を取ることも会うこともなくなって、気が付けばそれから2年が経っていた――。