俺様御曹司と蜜恋契約
お洒落なカフェで過ごす日曜日の午後。少し前の自分なら想像できなかった休日の過ごし方だ。
『商店街から手を引いてほしかったら俺の女になれ』
葉山社長とそんな取引をしたのが春のこと。すでに季節は初夏を迎えようとしていた。
私たちの関係は変わりなくて、平日の仕事終わりには私が葉山社長のマンションへご飯を作りに行く。最近では葉山社長もキッチンに立つようになって、たまにだけれど一緒に料理をするようにもなった。
もともと普段から料理をしていたと言うし、有名料理研究家の息子だけあって葉山社長の料理の腕前はさすがだった。
でも最近ふと思うことがある。
いつまでこの取引が続くのだろう、と。
パフェを食べながらちらっと視線を上に向けると、イスの肘掛に肘をつき頬杖をついている葉山社長がテラス席から見えるすぐ隣の歩道をぼんやりと眺めていた。
穏やかに吹く風に彼の黒髪がさらりと揺れる。
いつものきっちりとしたスーツ姿も休日の今日は私服になっていて、七分袖の淡いブルーの生地に白のストライプが入ったシャツに白のズボン。ふんわりと香る香水は普段のものとは少し違うような気がした。
私服姿を見たことがないわけではないけど、スーツ姿の方が断然多かったからそちらの方が見慣れている。身に着けている服装のせいか、お洒落なカフェという雰囲気のせいか、目の前に座る葉山社長がなんだかいつもとは違う人のように感じてしまった。
『商店街から手を引いてほしかったら俺の女になれ』
葉山社長とそんな取引をしたのが春のこと。すでに季節は初夏を迎えようとしていた。
私たちの関係は変わりなくて、平日の仕事終わりには私が葉山社長のマンションへご飯を作りに行く。最近では葉山社長もキッチンに立つようになって、たまにだけれど一緒に料理をするようにもなった。
もともと普段から料理をしていたと言うし、有名料理研究家の息子だけあって葉山社長の料理の腕前はさすがだった。
でも最近ふと思うことがある。
いつまでこの取引が続くのだろう、と。
パフェを食べながらちらっと視線を上に向けると、イスの肘掛に肘をつき頬杖をついている葉山社長がテラス席から見えるすぐ隣の歩道をぼんやりと眺めていた。
穏やかに吹く風に彼の黒髪がさらりと揺れる。
いつものきっちりとしたスーツ姿も休日の今日は私服になっていて、七分袖の淡いブルーの生地に白のストライプが入ったシャツに白のズボン。ふんわりと香る香水は普段のものとは少し違うような気がした。
私服姿を見たことがないわけではないけど、スーツ姿の方が断然多かったからそちらの方が見慣れている。身に着けている服装のせいか、お洒落なカフェという雰囲気のせいか、目の前に座る葉山社長がなんだかいつもとは違う人のように感じてしまった。