俺様御曹司と蜜恋契約
「これいったい何なんですか?」
持田さんに問いかければ彼女はニコリと微笑む。
「何って葉山社長の特集記事」
「それは分かるんですけど、どうしてファッション誌で?」
しかもかなりのセクシーショットまで披露しているし……。
ついついそんな写真たちにばかり気を取られてしまっていたけれどよく見れば写真の他にも文字が並んでいて、それはどうやらインタビュー記事のようだった。
「ねぇ、花。ここ読んでみて」
「え?」
持田さんがトンと指をさした場所に視線を落とす。そこには葉山社長と雑誌の記者のインタビュー記事が載っていた。
――好きな女性のタイプはありますか?
そうですね。タイプは特にありませんが、しいて言うなら料理の得意な子ですかね。
――失礼ですが、ご結婚はまだですよね?
はい。
――では、現在お付き合いされている女性はいらっしゃるんですか?
ええ。いますよ。
――まぁ!その方はやっぱりどちらかの会社のご令嬢とかですか?
いえ、一般の女性です。僕の会社の子会社で事務の仕事をしていますよ。
――どちらから告白を?
僕ですね。仕事で葉山グループの本社ビルに来ていた彼女に僕が一目惚れをしました。
――お付き合いはどのくらいの期間ですか?
今年の春からです。まだ交際期間は短いですが僕は彼女とこれからもずっと一緒にいたいと思っています。
――ということは結婚を考えていると?
もちろん。花以上の女性はきっともう現れません。
――お名前、花さんって言うんですね。
おっといけない。つい口が滑ってしまいました。
「だってさ、花。…ねぇ花。……おーい、花?」
インタビュー記事を読み終えた私は持田さんに肩をゆすぶられながらしばらく放心状態だった。
「花ちゃーん。おーい、どうしたの?」
「っは!」
何度か名前を呼ばれてようやく意識が浮上する。そしてふつふつと湧き上がる怒り。
……なんなのこのインタビュー記事。全部デタラメなんだけど。
思わず雑誌を手に取り丸めると近くのゴミ箱に投げ捨てていた。
「ちょっと花。それ私の雑誌」
持田さんがゴミ箱から雑誌を救い上げるのを横目に、私は起動したパソコンに向かい仕事を再開させた。
しばらく連絡もないし会わない日々が続いたと思っていたけど、その間にまさかこんなインタビューを受けていたなんて。
あの人いったいどういうつもりなの?
持田さんに問いかければ彼女はニコリと微笑む。
「何って葉山社長の特集記事」
「それは分かるんですけど、どうしてファッション誌で?」
しかもかなりのセクシーショットまで披露しているし……。
ついついそんな写真たちにばかり気を取られてしまっていたけれどよく見れば写真の他にも文字が並んでいて、それはどうやらインタビュー記事のようだった。
「ねぇ、花。ここ読んでみて」
「え?」
持田さんがトンと指をさした場所に視線を落とす。そこには葉山社長と雑誌の記者のインタビュー記事が載っていた。
――好きな女性のタイプはありますか?
そうですね。タイプは特にありませんが、しいて言うなら料理の得意な子ですかね。
――失礼ですが、ご結婚はまだですよね?
はい。
――では、現在お付き合いされている女性はいらっしゃるんですか?
ええ。いますよ。
――まぁ!その方はやっぱりどちらかの会社のご令嬢とかですか?
いえ、一般の女性です。僕の会社の子会社で事務の仕事をしていますよ。
――どちらから告白を?
僕ですね。仕事で葉山グループの本社ビルに来ていた彼女に僕が一目惚れをしました。
――お付き合いはどのくらいの期間ですか?
今年の春からです。まだ交際期間は短いですが僕は彼女とこれからもずっと一緒にいたいと思っています。
――ということは結婚を考えていると?
もちろん。花以上の女性はきっともう現れません。
――お名前、花さんって言うんですね。
おっといけない。つい口が滑ってしまいました。
「だってさ、花。…ねぇ花。……おーい、花?」
インタビュー記事を読み終えた私は持田さんに肩をゆすぶられながらしばらく放心状態だった。
「花ちゃーん。おーい、どうしたの?」
「っは!」
何度か名前を呼ばれてようやく意識が浮上する。そしてふつふつと湧き上がる怒り。
……なんなのこのインタビュー記事。全部デタラメなんだけど。
思わず雑誌を手に取り丸めると近くのゴミ箱に投げ捨てていた。
「ちょっと花。それ私の雑誌」
持田さんがゴミ箱から雑誌を救い上げるのを横目に、私は起動したパソコンに向かい仕事を再開させた。
しばらく連絡もないし会わない日々が続いたと思っていたけど、その間にまさかこんなインタビューを受けていたなんて。
あの人いったいどういうつもりなの?