俺様御曹司と蜜恋契約
「どうして葉……」
葉山社長と言いそうになり慌てて口を閉じてから言い直す。
「どうしてあなたがまた家にいるんですか!?」
「花ちゃんたらそんな冷たい言い方して」
強い口調で葉山社長を問い詰めると母親がすかさず声を上げる。
「枝山さんはお母さんの骨折が良くなったお祝いにわざわざお菓子を持ってきてくれたのよ」
その言葉にあらためてテーブルの上を見ると、そこにはたしかに高級そうな包装紙に包まれた箱が置いてあった。中身はたぶんお菓子の詰め合わせだと思うけれど、包装紙に書かれているお店のロゴマークは海外ブランドの高級洋菓子店のものだ。
すると葉山社長が私には見せたことのない穏やかな笑顔を母親に向ける。
「治って良かったですねお母さん」
「ええ。心配してくれてありがとう枝山さん」
母親が少し照れくさそうに笑った。
「枝山くんお茶のお代わりでもどうかね」
父親が急須を手に取り葉山社長の湯呑にお茶をそそいでいる。
「ありがとうございますお父さん」
湯呑を手に取ると葉山社長はお茶をゆっくりと飲んだ。
「……」
その光景に私はその場に立ち尽くしたまま言葉をなくしてしまう。
葉山社長がすっかり我が家に馴染んでいる…。
私の両親のことを「お父さん」「お母さん」と呼んでいるし、私が出掛けている間にずいぶんと距離を縮めたらしい。
そういえば母親は葉山社長のことを私の結婚相手と勘違いしていることを思い出した。一言もそんなことを言った覚えがないのに商店街の人たちにも言いふらしているようだし。
葉山社長と言いそうになり慌てて口を閉じてから言い直す。
「どうしてあなたがまた家にいるんですか!?」
「花ちゃんたらそんな冷たい言い方して」
強い口調で葉山社長を問い詰めると母親がすかさず声を上げる。
「枝山さんはお母さんの骨折が良くなったお祝いにわざわざお菓子を持ってきてくれたのよ」
その言葉にあらためてテーブルの上を見ると、そこにはたしかに高級そうな包装紙に包まれた箱が置いてあった。中身はたぶんお菓子の詰め合わせだと思うけれど、包装紙に書かれているお店のロゴマークは海外ブランドの高級洋菓子店のものだ。
すると葉山社長が私には見せたことのない穏やかな笑顔を母親に向ける。
「治って良かったですねお母さん」
「ええ。心配してくれてありがとう枝山さん」
母親が少し照れくさそうに笑った。
「枝山くんお茶のお代わりでもどうかね」
父親が急須を手に取り葉山社長の湯呑にお茶をそそいでいる。
「ありがとうございますお父さん」
湯呑を手に取ると葉山社長はお茶をゆっくりと飲んだ。
「……」
その光景に私はその場に立ち尽くしたまま言葉をなくしてしまう。
葉山社長がすっかり我が家に馴染んでいる…。
私の両親のことを「お父さん」「お母さん」と呼んでいるし、私が出掛けている間にずいぶんと距離を縮めたらしい。
そういえば母親は葉山社長のことを私の結婚相手と勘違いしていることを思い出した。一言もそんなことを言った覚えがないのに商店街の人たちにも言いふらしているようだし。