俺様御曹司と蜜恋契約
「君、社長に向かって何を言っているんだ」
秘書らしき男性が声を荒げると、私と葉山社長の間に割って入る。
きっちりとした七三分けの白髪混じりの黒髪に、フレームの無いメガネが特徴的な60代くらいの男性だ。
「社長は忙しいんだ。君に相手をしている暇なんてない」
「――佐上。お前、少し黙ってろ」
すると葉山社長が佐上(さがみ)と呼んだ秘書らしき男性の肩を軽く押し退け前に出てくる。そして私をじっと見降ろした。
「俺に話があるって?」
「…はい」
葉山社長の切れ長の目に見降ろされ、なんとなくそらしたら負けだと思い私もじっと見つめ返した。
にらめっこをしているわけではないけれどそのまましばらく互いの目を見つめ合っていると、やがて葉山社長の口角がきれいに上がった。
「いいよ。聞いてやるから俺の部屋へ来い。--佐上、このあとの会議30分延期な」
「ちょ…しゃ、社長。そんな勝手な」
秘書の男性――佐上さんがあたふたと慌てている。
そんな彼のことを無視して葉山社長がエレベーターのボタンを押すとゆっくりと扉が開いた。
「来い」
「わっ」
葉山社長に腕をつかまれて、そのまま一緒にエレベーターへ入れられてしまった。
「しゃ、社長」
とまどっている佐上さんを残して、私と葉山社長を乗せたエレベーターの扉が閉まる。と、そのままゆっくりと上昇を始めた。
秘書らしき男性が声を荒げると、私と葉山社長の間に割って入る。
きっちりとした七三分けの白髪混じりの黒髪に、フレームの無いメガネが特徴的な60代くらいの男性だ。
「社長は忙しいんだ。君に相手をしている暇なんてない」
「――佐上。お前、少し黙ってろ」
すると葉山社長が佐上(さがみ)と呼んだ秘書らしき男性の肩を軽く押し退け前に出てくる。そして私をじっと見降ろした。
「俺に話があるって?」
「…はい」
葉山社長の切れ長の目に見降ろされ、なんとなくそらしたら負けだと思い私もじっと見つめ返した。
にらめっこをしているわけではないけれどそのまましばらく互いの目を見つめ合っていると、やがて葉山社長の口角がきれいに上がった。
「いいよ。聞いてやるから俺の部屋へ来い。--佐上、このあとの会議30分延期な」
「ちょ…しゃ、社長。そんな勝手な」
秘書の男性――佐上さんがあたふたと慌てている。
そんな彼のことを無視して葉山社長がエレベーターのボタンを押すとゆっくりと扉が開いた。
「来い」
「わっ」
葉山社長に腕をつかまれて、そのまま一緒にエレベーターへ入れられてしまった。
「しゃ、社長」
とまどっている佐上さんを残して、私と葉山社長を乗せたエレベーターの扉が閉まる。と、そのままゆっくりと上昇を始めた。