俺様御曹司と蜜恋契約
私のせいかもしれない。
最近ではそう思ってしまう。
私が葉山社長に森堂商店街の再開発事業から手を引いて欲しいなんて言わなければ……。
その前から葉山社長は商店街の再開発を止めようとしていたらしいけれど、でも私に会わなければもしかしたら社長を退任という方法を取ってまで強引に森堂商店街の再開発を白紙に戻さずに済んだのかもしれない。
もう一度、葉山社長に会いたい……。
「光臣社長だけど明日の1時からの新社長就任パーティーに顔を出してからその足で空港へ行って飛行機で立つらしいよ」
「そうなんですね」
「湯本くんお見送り行かなくていいの?」
「えっ」
驚いた声を出せば、穂高部長がにんまりと笑っている。
「詳しくは知らないけど、湯本くん光臣社長と何か関わりがあったみたいだから。何度もうちの部署に電話かかってきたし、視察で来たときも湯本くんのことを呼んでいたし。それに湯本くんの仕事が終わるのを光臣社長がよく会社の外で待っていたからね」
「部長……」
知っていたんだ。
そういえば、葉山社長から職場に電話がかかってくるとき最初に出たのはいつも穂高部長だった。居留守まで使わせてしまったし。葉山社長がうちの会社に来たときは慌てて私のことを探しに来たっけ。それに葉山社長が会社の外で私の帰りを待っていたことも知っていたんだ。
「明日の4時の飛行機らしいよ」
穂高部長が教えてくれる。すると今まで黙ってビールをあおっていた持田さんが静かに口を開いた。
「向こうにいったら3年は戻ってこないらしい。葉山グループの本社ビルで働く友達から聞いた情報によるとね」
そう言って再びビールをぐびっと煽った。
葉山社長は3年も日本を離れてしまう……。
「花の大切な商店街を守ってくれた人でしょ?きちんと会ってお礼を言わないと」
「はい」
持田さんの言葉に私は力強く頷いた。
私は葉山社長に伝えないといけないことがある。このままお別れなんてしたくない。
「ありがとうございます」
イスから立ち上がると穂高部長と持田さんに向かって深く頭を下げた。
最近ではそう思ってしまう。
私が葉山社長に森堂商店街の再開発事業から手を引いて欲しいなんて言わなければ……。
その前から葉山社長は商店街の再開発を止めようとしていたらしいけれど、でも私に会わなければもしかしたら社長を退任という方法を取ってまで強引に森堂商店街の再開発を白紙に戻さずに済んだのかもしれない。
もう一度、葉山社長に会いたい……。
「光臣社長だけど明日の1時からの新社長就任パーティーに顔を出してからその足で空港へ行って飛行機で立つらしいよ」
「そうなんですね」
「湯本くんお見送り行かなくていいの?」
「えっ」
驚いた声を出せば、穂高部長がにんまりと笑っている。
「詳しくは知らないけど、湯本くん光臣社長と何か関わりがあったみたいだから。何度もうちの部署に電話かかってきたし、視察で来たときも湯本くんのことを呼んでいたし。それに湯本くんの仕事が終わるのを光臣社長がよく会社の外で待っていたからね」
「部長……」
知っていたんだ。
そういえば、葉山社長から職場に電話がかかってくるとき最初に出たのはいつも穂高部長だった。居留守まで使わせてしまったし。葉山社長がうちの会社に来たときは慌てて私のことを探しに来たっけ。それに葉山社長が会社の外で私の帰りを待っていたことも知っていたんだ。
「明日の4時の飛行機らしいよ」
穂高部長が教えてくれる。すると今まで黙ってビールをあおっていた持田さんが静かに口を開いた。
「向こうにいったら3年は戻ってこないらしい。葉山グループの本社ビルで働く友達から聞いた情報によるとね」
そう言って再びビールをぐびっと煽った。
葉山社長は3年も日本を離れてしまう……。
「花の大切な商店街を守ってくれた人でしょ?きちんと会ってお礼を言わないと」
「はい」
持田さんの言葉に私は力強く頷いた。
私は葉山社長に伝えないといけないことがある。このままお別れなんてしたくない。
「ありがとうございます」
イスから立ち上がると穂高部長と持田さんに向かって深く頭を下げた。