俺様御曹司と蜜恋契約
空港内にはもちろん私たち以外にも人がたくさんいるわけで。その中で抱き合う私たちを通り過ぎる人たちがちらっと視線を向けてくるけれど、今だけはそんなこと気にならないくらい葉山社長にぎゅっと抱きしめられてその体温を感じていたかった。
だってようやく気持ちが通じ合ったのに私たちはこれから3年間も離れてしまうのだから。
しかし飛行機の時間は迫っている。
しばらくすると葉山社長が私を抱きしめていた腕を離す。それから彼の大きな手が私の顎を取りくいっと上に向かせた。
「これでやっとお前にキスできる」
「えっ……」
その言葉のあとすぐに唇が触れ合った。
社長室で突然キスをされてから何度か葉山社長には強引にキスをされた。でも最近ではそれがぱったりとなくなってしまったから久しぶりの葉山社長の唇の感触だった。
しばらくしてキスが終わると葉山社長が小さく笑いながら言う。
「マミに言われたからな。花に簡単にキスしたら軽い男だと思われて信用されなくなるって」
「あ……」
そういえば横浜でマミさんという女性がそんなようなことを言っていたことを思い出した。葉山社長にタクシー代を渡されて一人で帰るように言われてその別れ際にキスをされた。そしたらマミさんがそんな葉山社長に向かって私のような子には簡単にキスをしたらいけないと言っていたような気がする。
思えばそのあとから葉山社長のキスがなくなったっけ。
葉山社長はマミさんのその言葉をずっと信じていたんだ。私に簡単にキスをしたら私が葉山社長のことを信用しなくなると思って。強引で俺様な人なのにそんなこと気にしていたのだと思うと、なんだかおかしくなってしまって思わずクスッと笑ってしまった。
「花」
そんな私を葉山社長が引き寄せて抱きしめる。私も彼の大きな背中に手を伸ばしてぎゅっと強く抱きしめ返した。
強引な取引から始まった私たちの関係。
『俺の恋人になれって言ってんの。そしたら商店街から手を引いてやるよ』
まだ桜の花が咲いていた春に、社長室で葉山社長に言われた言葉を思い出す。
取引から始まった恋人のはずだった。いつかは終わるもの。でも、それが本物の恋に変わったのはきっと運命だったのかもしれない。
初めて会った子供の頃からずっと互いの記憶を残したまま大人になった私たち。きっとあのときからずっと繋がっていたんだ。
葉山社長が海外に行ってしまう3年間だってきっと待つことができる。
もう一度再会したその日から私たちは本当の恋人になるのだから。
だってようやく気持ちが通じ合ったのに私たちはこれから3年間も離れてしまうのだから。
しかし飛行機の時間は迫っている。
しばらくすると葉山社長が私を抱きしめていた腕を離す。それから彼の大きな手が私の顎を取りくいっと上に向かせた。
「これでやっとお前にキスできる」
「えっ……」
その言葉のあとすぐに唇が触れ合った。
社長室で突然キスをされてから何度か葉山社長には強引にキスをされた。でも最近ではそれがぱったりとなくなってしまったから久しぶりの葉山社長の唇の感触だった。
しばらくしてキスが終わると葉山社長が小さく笑いながら言う。
「マミに言われたからな。花に簡単にキスしたら軽い男だと思われて信用されなくなるって」
「あ……」
そういえば横浜でマミさんという女性がそんなようなことを言っていたことを思い出した。葉山社長にタクシー代を渡されて一人で帰るように言われてその別れ際にキスをされた。そしたらマミさんがそんな葉山社長に向かって私のような子には簡単にキスをしたらいけないと言っていたような気がする。
思えばそのあとから葉山社長のキスがなくなったっけ。
葉山社長はマミさんのその言葉をずっと信じていたんだ。私に簡単にキスをしたら私が葉山社長のことを信用しなくなると思って。強引で俺様な人なのにそんなこと気にしていたのだと思うと、なんだかおかしくなってしまって思わずクスッと笑ってしまった。
「花」
そんな私を葉山社長が引き寄せて抱きしめる。私も彼の大きな背中に手を伸ばしてぎゅっと強く抱きしめ返した。
強引な取引から始まった私たちの関係。
『俺の恋人になれって言ってんの。そしたら商店街から手を引いてやるよ』
まだ桜の花が咲いていた春に、社長室で葉山社長に言われた言葉を思い出す。
取引から始まった恋人のはずだった。いつかは終わるもの。でも、それが本物の恋に変わったのはきっと運命だったのかもしれない。
初めて会った子供の頃からずっと互いの記憶を残したまま大人になった私たち。きっとあのときからずっと繋がっていたんだ。
葉山社長が海外に行ってしまう3年間だってきっと待つことができる。
もう一度再会したその日から私たちは本当の恋人になるのだから。