俺様御曹司と蜜恋契約
そんなことを考えながら午後の仕事をしていたらいつの間にか職場の時計が午後3時を指していた。
現在フロアには私を含めた女性事務員が数名と穂高部長だけ。午後のこの時間帯は男性社員のほとんどが出先に行ってしまい不在になるのだ。
静かなフロアにキーボードを打つ音だけが響いている。
すっかり凝ってしまった体をほすぐために腕を上に突きあげて背中を伸ばした。
デスクの上には今日中に済まさなければならない伝票がたまっている。
ここからラストスパートをかけよう。その前にさっきからじわじわと襲ってくる眠気を覚ますためにコーヒーでも飲もうかな、と席を立とうとしたときだった。
「――え?湯本ですか…?」
受話器を耳にあてている穂高部長がふいに私の名前を呼んだ。
そちらに視線を移せば、部長が頭をぺこぺこと下げている姿が目に入る。
「――はい。湯本はたしかにうちに在籍しておりま……あ、はい。分かりました。すぐに変わります」
穂高部長が勢いよく顔を上げると私の姿を見つける。
「ゆ、湯本くんっ。ちょっと」
こっち来て、と手招きをされた。
なんだろう?
なんか部長が焦っているような気がするけど。
とりあえず呼ばれたので穂高部長のデスクへと向かう。
現在フロアには私を含めた女性事務員が数名と穂高部長だけ。午後のこの時間帯は男性社員のほとんどが出先に行ってしまい不在になるのだ。
静かなフロアにキーボードを打つ音だけが響いている。
すっかり凝ってしまった体をほすぐために腕を上に突きあげて背中を伸ばした。
デスクの上には今日中に済まさなければならない伝票がたまっている。
ここからラストスパートをかけよう。その前にさっきからじわじわと襲ってくる眠気を覚ますためにコーヒーでも飲もうかな、と席を立とうとしたときだった。
「――え?湯本ですか…?」
受話器を耳にあてている穂高部長がふいに私の名前を呼んだ。
そちらに視線を移せば、部長が頭をぺこぺこと下げている姿が目に入る。
「――はい。湯本はたしかにうちに在籍しておりま……あ、はい。分かりました。すぐに変わります」
穂高部長が勢いよく顔を上げると私の姿を見つける。
「ゆ、湯本くんっ。ちょっと」
こっち来て、と手招きをされた。
なんだろう?
なんか部長が焦っているような気がするけど。
とりあえず呼ばれたので穂高部長のデスクへと向かう。