俺様御曹司と蜜恋契約
「離して下さい」
小野田さんに掴まれている腕を振りほどこうとすれば、反対の腕が私の腰に回される。
「いいじゃん、行こうよ」
「い、行きません」
必死に抵抗するけれど、腰に回っている小野田さんの腕が私を離してくれない。
逃げないと。
頭の中では分かっているけれど逃げられない。
そのままずるずると小野田さんに引きずられるように歩き始めた、そのときだった。
「――花っ」
公園の入口に背の高い人影が見えた。暗くてよく見えないけれど、私の名前を呼ぶその声は聞いたことのある声で。
目を凝らしてその人物を確認すれば背の高いスーツ姿の男性が立っている。
葉山社長……?
ゆっくりとした足取りで私たちのもとへ近付いてくると、私の腕をぐいっと引っ張り小野田さんからはがしてくれた。そしてそのまま自分の後ろにすっぽりと私を隠す。
「悪ぃな。こいつ俺の女なんだよ」
葉山社長の言葉に小野田さんが「え?」と驚いたような顔をした。
「でも湯本さんは彼氏いないって」
「ああ、それね。実は俺たち昨日ケンカしてさ」
葉山社長が後ろにいる私を振り返る。
「たぶん俺への当てつけで合コンなんかに行ったと思うけど、こいつまだ俺の彼女だから」
そうして葉山社長の視線が再び小野田さんへと向けられる。
「だから手出すなよ」
低い声でそう告げる。
「でもっ」
それでも引き下がろうとしない小野田さんに向かって葉山社長は大きく息を吐いた。
「襟のそのバッジ。あんた弁護士だろ?いいのかよ、弁護士さんが嫌がる女性を無理やりホテルに連れ込もうとして」
「……っ!」
「女に飢えてんなら俺がもっといい女紹介しようか?」
「う、うるさいっ」
葉山社長のからかうようなその言葉が気に入らなかったのか小野田さんは怒りの混じった声を上げると足早にその場を去っていった。
小野田さんに掴まれている腕を振りほどこうとすれば、反対の腕が私の腰に回される。
「いいじゃん、行こうよ」
「い、行きません」
必死に抵抗するけれど、腰に回っている小野田さんの腕が私を離してくれない。
逃げないと。
頭の中では分かっているけれど逃げられない。
そのままずるずると小野田さんに引きずられるように歩き始めた、そのときだった。
「――花っ」
公園の入口に背の高い人影が見えた。暗くてよく見えないけれど、私の名前を呼ぶその声は聞いたことのある声で。
目を凝らしてその人物を確認すれば背の高いスーツ姿の男性が立っている。
葉山社長……?
ゆっくりとした足取りで私たちのもとへ近付いてくると、私の腕をぐいっと引っ張り小野田さんからはがしてくれた。そしてそのまま自分の後ろにすっぽりと私を隠す。
「悪ぃな。こいつ俺の女なんだよ」
葉山社長の言葉に小野田さんが「え?」と驚いたような顔をした。
「でも湯本さんは彼氏いないって」
「ああ、それね。実は俺たち昨日ケンカしてさ」
葉山社長が後ろにいる私を振り返る。
「たぶん俺への当てつけで合コンなんかに行ったと思うけど、こいつまだ俺の彼女だから」
そうして葉山社長の視線が再び小野田さんへと向けられる。
「だから手出すなよ」
低い声でそう告げる。
「でもっ」
それでも引き下がろうとしない小野田さんに向かって葉山社長は大きく息を吐いた。
「襟のそのバッジ。あんた弁護士だろ?いいのかよ、弁護士さんが嫌がる女性を無理やりホテルに連れ込もうとして」
「……っ!」
「女に飢えてんなら俺がもっといい女紹介しようか?」
「う、うるさいっ」
葉山社長のからかうようなその言葉が気に入らなかったのか小野田さんは怒りの混じった声を上げると足早にその場を去っていった。