怨み赤子
☆☆☆

学校の近くにあるファミレスは制服姿の学生たちでにぎわっていた。


「結構沢山いるね」


放課後にファミレスに寄ることがほとんどないあたしは目を丸くしてそう言った。


「本当だねぇ。みんな食べてから帰るんだね」


カナミもそう言い、周囲を見回した。


ユキと勉はよく食べてから帰っているようで、馴れた手つきで注文を始めた。


あたしとカナミはお店の人気商品を頼むことにした。


「いつも勉と2人だから、なんか新鮮だなぁ」


ユキが嬉しそうに言う。


勉も教室でいる時よりも表情が柔らかいような気がする。


だけど4人共通の話題なんて学校の授業くらいしかなくて、沈黙が多くなる。
< 11 / 143 >

この作品をシェア

pagetop