怨み赤子
仲間になりたいと思う相手ができた途端くっついてくるクラスメートたち。


嫌な気分にはならなかったけれど、仲良くする前にやることはまだ残っていた。


このクラスにはいらない人間がまたいるのだから。


あたしは早足で校庭へと出た。


真治と教は昼ご飯を終えると校庭へ出て、他のクラスメートたちと何か話をし始めてるのが最近の日課らしかった。


教室では話しにくい内容だから校庭まで出ているみたいなのだが、一体どんな話なのか見当もつかなかった。


あたしは1人で校庭へ出ると、すぐに数十人の集団を見つけた。


全員男子生徒ばかりで、集まって話をしているその光景は近づきにくいものだった。


あたしは背筋をスッと伸ばし、躊躇することなくその輪の中へと向かった。


足音に気が付いた生徒が数人振り返る。


その中には見知った顔の生徒も何人か含まれている事に気が付いて、ホッと胸をなで下ろした。


これなら少しは話しかけやすい。
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