怨み赤子
全校生徒を味方に
放送室に入るのは初めての事だった。
普段は全く用事のない場所だし、流れて来る音楽をなんとなく聞いているだけだった。
想像よりもずっと狭い放送室へ入り、鍵をかける。
マイクには1つスイッチがついていて、その横にはボリュームを調節するような機械が置かれている程度のものだった。
あたしは椅子に腰をかけてボイスレコーダーをとりだした。
丁寧に放送開始のチャイムを鳴らすと、マイクのスイッチを押したままボイスレコーダーを再生した。
ついさっきの真治とのやりとりが大音量で校内に響き渡る。
真治の怒鳴り声に、教を見下すような発言。
それらをあたしは鼻歌まじりに聞いていた。
今頃教室中はパニックになっているかもしれない。
真治は真っ青になり、またなにか言い訳を考えているかもしれない。
それらを想像するだけで面白くて、つい笑い声を上げてしまった。
ボイスレコーダーが終わったタイミングで放送室のドアが開いた。
青い顔をした野田さんが慌てて入って来る。
その後ろには数人の先生も一緒だった。
「ごめんね、勝手に鍵を借りちゃって」
あたしはそう言い、野田さんに放送室の鍵を返した。
「なんで、こんなこと……!」
青ざめたままでそう聞いてくる野田さんに、あたしはうつむいた。
普段は全く用事のない場所だし、流れて来る音楽をなんとなく聞いているだけだった。
想像よりもずっと狭い放送室へ入り、鍵をかける。
マイクには1つスイッチがついていて、その横にはボリュームを調節するような機械が置かれている程度のものだった。
あたしは椅子に腰をかけてボイスレコーダーをとりだした。
丁寧に放送開始のチャイムを鳴らすと、マイクのスイッチを押したままボイスレコーダーを再生した。
ついさっきの真治とのやりとりが大音量で校内に響き渡る。
真治の怒鳴り声に、教を見下すような発言。
それらをあたしは鼻歌まじりに聞いていた。
今頃教室中はパニックになっているかもしれない。
真治は真っ青になり、またなにか言い訳を考えているかもしれない。
それらを想像するだけで面白くて、つい笑い声を上げてしまった。
ボイスレコーダーが終わったタイミングで放送室のドアが開いた。
青い顔をした野田さんが慌てて入って来る。
その後ろには数人の先生も一緒だった。
「ごめんね、勝手に鍵を借りちゃって」
あたしはそう言い、野田さんに放送室の鍵を返した。
「なんで、こんなこと……!」
青ざめたままでそう聞いてくる野田さんに、あたしはうつむいた。